上野は5回途中降板も7回に再登板、4回に渥美、5回に藤田が適時打
■日本 2ー0 アメリカ（27日・決勝・横浜）
東京五輪のソフトボール日本代表が悲願の金メダルを獲得した。27日、横浜スタジアムで行われた決勝でアメリカを2-0で破って優勝。金メダルを獲得した2008年の北京五輪以来、13年越しの“連覇”を達成した。
日本は初回、先発の上野由岐子がリードに中堅フェンス直撃の三塁打を浴びてピンチを背負う。続くチデスターに四球を与えたボールがワンバウンドになり、捕手の我妻悠香が後逸。走者が本塁に突入したものの、間一髪のところでアウトとなり失点を免れた。その後、さらに2度の暴投で2死三塁とされたが、上野がアリオトを空振り三振に切り、窮地を凌いだ。
先制点が生まれたのは4回だ。日本は先頭の藤田倭が中前安打で出塁。山崎早紀の犠打、我妻の投ゴロで藤田は三塁へ進んだ。市口侑果が四球を選んで繋ぎ、2死一、三塁とすると、9番の渥美万奈がしぶとく二塁への適時内野安打を放って待望の先制点を奪った。さらに5回には2死から山本が中前への安打で出塁。アメリカのエース・アボットの暴投で二塁へと進むと、藤田が右前への適時打を放ち、貴重な追加点を奪った。
上野は序盤は走者を背負う苦しい展開も、粘りの投球で得点を許さず。尻上がりに調子をあげ、3回、4回と3者凡退に切り、5回まで無失点に封じた。6回先頭のモールトリーに左前安打を許したところで、日本ベンチはここまで完璧なリリーフを見せてきた後藤希友にスイッチ。6回1死二、三塁のピンチで三塁の山本優が弾いた痛烈なライナーを渥美がカバーしてキャッチ。飛び出した二塁走者も刺して併殺にするミラクルプレーも飛び出した。
左腕がこの回を無失点に封じる好リリーフを見せると、最終回の7回は再び大黒柱の上野がリエントリーでマウンドへ。大黒柱が最終回を無失点に封じてリードを守り抜き、歓喜の時を迎えた。
ソフトボール日本代表はグループリーグを4勝1敗の2位で突破。4連勝で迎えた26日のグループリーグ最終戦のアメリカ戦では終盤までリードしながらも、最終回の7回にサヨナラ負けを喫した。再び同じ顔合わせとなったこの決勝でリベンジに成功して頂点に立った。
1996年のアトランタ五輪で正式競技となったソフトボール。日本は2000年のシドニー大会で銀メダル、2004年のアテネ大会で銅メダルを獲得し、2008年の北京大会で悲願の金メダルを獲得。野球、ソフトボールは北京大会を最後に正式競技から外れ、この東京五輪で競技に復帰した。日本は13年の時を経て、2大会連続優勝の“連覇”を達成した。（Full-Count編集部）
