【なでしこジャパン】岩渕真奈 有観客での劇的勝利に涙「ここで終わるわけにいかなかった」

チリの厳しいマークの中、岩渕(右)は奮闘した(ロイター)

なでしこジャパンのエースFW岩渕真奈(28=アーセナル)が、有観客開催で決勝トーナメント進出を決める勝利に涙を浮かべた。

日本は27日に行われた東京五輪1次リーグ最終戦チリ戦(宮城)で1―0と接戦を制し、E組3位で決勝トーナメント進出を決めた。

岩渕は前戦の英国戦でコンディションが整わずベンチスタートとなったが、この日はスタメン復帰。試合は0―0のまま迎えた終盤の後半32分に、途中出場のFW田中美南が値千金のゴールを決めて日本が勝利した。

試合後の岩渕は「難しい試合だったけど勝ち切れてよかった。正直、今まで感じたことないプレッシャーがあった」と涙ぐみながら吐露。重圧の理由を「ここで終わるわけにいかなかったので。不安もたくさんあったけど、みんなの力で勝ててよかった」と開幕から2戦未勝利で1次リーグ敗退危機に立たされていた苦しい胸の内を明かした。

涙の理由は重圧からだけではない。この日の会場は宮城で有観客開催。「いろんな人が応援してくれて、今日は自分の両親も来てくれたり、やっぱりパワーになる」と岩渕。家族や日本のファンの存在が、強力な後押しになったのだ。

それでも感慨に浸っている時間はない。30日の準々決勝へ向けて心配される足の状態は「大丈夫!」ときっぱり。エースが強い覚悟で金メダル獲得までチームを引っ張る。

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