【ソフトボール】13年ぶり金! 頼れる主将・山田恵里の言葉「失敗することがすごく大事」

マウンドで歓喜の輪を作ったソフトボール日本代表

主将の頼れる言葉とは――。東京五輪のソフトボール決勝(27日、横浜スタジアム)が行われ、日本が米国に2―0で勝利し、2008年北京五輪以来、3大会ぶりの金メダルを獲得。その裏には、主将・山田恵里外野手(37=デンソー)の存在があった。

今大会はエース・上野由岐子投手(ビックカメラ高崎)、チーム最年少左腕・後藤希友投手(トヨタ自動車)などの活躍が目立つ中、山田は勝てば決勝進出が決まるカナダ戦(25日、横浜スタジアム)の延長8回一死満塁でサヨナラ打を放ち「期待に応えたいという気持ちが強かったので、結果につながってよかった」とホッとした表情を浮かべた。

プレーでもチームに大きく貢献してきた山田。しかし、それ以上にチーム内では山田のキャプテンシーを称賛する声が聞かれていた。ある選手は「山田さんは本当にレジェンド。監督とコミュニケーションをたくさんとりながら選手にもいろんなことをたくさん伝えてくれる。山田さんが導いてくれる道を私たちも一生懸命ついて行けば、私たちもいい結果がつながっていくんだろうなという気持ちですね」と話す。

その中で、特に印象に残っている言葉があるという。

「合宿とかで結構技術的な練習になってくると、失敗も結構出てくる。ハイレベルなことに取り組んでいるので、なかなかうまくいかない時でも『失敗することがすごく大事。失敗して何が何でもやってやるんだっていう気持ちが多ければ多いほど、本番で絶対に成功するから。今失敗を恐れてやらないとかよりも、たくさん失敗を積みながら良いものを作り上げていこう』と言葉をかけてくれた」

失敗はしてもいい――。すべては本番で最高の結果を残すために。代表の中でも数少ない北京戦士の山田が常にチームの雰囲気を高めていたのだ。

この日の試合でも初回の投手強襲安打でいきなり一塁にヘッドスライディングを見せ、チームを鼓舞した。その姿はまさに頼れる主将だった。

© 株式会社東京スポーツ新聞社