日本曹達二本木工場 医薬品添加剤 増産へ  設備完成し出荷開始 生産能力30%上昇

 日本曹達(本社・東京都)は26日、二本木工場(中郷区)で進めてきた医薬品添加剤、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)の増産設備がこのほど完成し、同日から出荷を開始したと発表した。生産能力は従来比で30%上昇した。

 HPCはセルロース誘導体で水に溶ける性質を持つ。錠剤の薬品の硬度を高める「結合力」や徐々に有効成分を放出する「徐放性」に優れる。食品添加物としても認められており、サプリメントの成形剤や結合剤などに使用されている。日本曹達は2018年12月、世界的な需要の高まりを受け同社唯一のHPC製造拠点である二本木工場に50億円の投資を決定、今年9月までの稼動を目指し工事を進めてきた。

完成した二本木工場のHPC増産設備(日本曹達提供)

 同社のHPCは世界シェア40%、国内ではほぼ100%を占める。今後、生産能力の強化と定評のある高度な品質管理などを背景に、中長期的な販売拡大を目指す。

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