韓国研究機関「戦闘機の頭脳」の国産化を発表...GaN半導体電力増幅器集積回路技術

(写真:ETRI提供)

韓国の研究グループが戦闘機のレーダーの核心部品を国産化した。

国家科学技術研究会のDMC融合研究チームは、「AESAレーダー」の核心部品である窒化ガリウム(GaN)半導体電力増幅器集積回路技術を開発したと28日明らかにした。

最新型の戦闘機に装着されるAESAレーダーは、何千もの送受信モジュールを利用して、迅速かつ正確に対象物までの距離や位置、姿などを検出することができ、「戦闘機の頭脳」とも呼ばれる。

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送・受信モジュールは、スイッチ、パワーアンプ、ローノイズアンプ等の半導体チップを集積して作られる。研究チームは、昨年スイッチ集積回路を開発したのに続き、今年は電力増幅器集積回路まで開発に成功したと強調した。

パワーアンプは、送信信号を増幅させて円滑な信号処理とターゲット検出を可能にする。

研究チームは、電力密度が高く、熱伝導性に優れた窒化ガリウムを用いて、既存のガリウム砒素ベースの電力増幅器よりも10倍以上高い出力と優れた信号変換効率を出すことができる電力増幅器を開発した。

少ない部品でも信号を多く増幅させることができ、レーダー軽量化に寄与できると期待した。

(写真:ETRI提供)

特に既存の米国と欧州の商用製品と性能は似ていながらも、サイズが小さく実用化に有利であると研究チームは説明した。

イム・ジョンウォンDMC融合研究団長は、「軍需用半導体の輸出規制に備え、AESAレーダー国産化と軍用レーダー・探索機の性能を向上させるために貢献する」と述べた。

今後、DMC融合研究チームは、関連分野産業に技術を移転し、商用化をサポートするという。

また、2022年までに、本技術をもとに、3つの周波数C-/ X-/ Ku-バンドごとにスイッチ・パワーアンプ・低ノイズ・アンプMMICなどを一つのチップに集積させる送受信シングルチップ集積回路の後続研究も進める。

DMC融合研究チームは、政府出資の研究機関と民間が保有する技術を活用し、国防兵器体系の半導体部品とプラットフォームを開発するために昨年発足した。韓国電子通信研究院(ETRI)の主管で韓国機械研究院、ナノ総合技術研究院が参加している。

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