侍ジャパン同点機に山田哲が〝暴走憤死〟 北京主将の宮本慎也氏「回すべきではなかった」

侍ジャパン・山田哲人

勝って兜の緒を締めよ、だろう。東京五輪の野球オープニングラウンドの初戦ドミニカ共和国戦(福島)が28日に行われ、侍ジャパンは4―3で逆転サヨナラ勝ちを収めた。

打線が相手先発のメルセデス(巨人)を打ちあぐね、7回に2点を先制される苦しい展開。それでもすぐに1点を返すと、8回に同点の絶好機をつかんだ。

先頭の山田哲(ヤクルト)が四球を選ぶと、坂本(巨人)がきっちり犠打を決めて一死二塁。続く吉田尚(オリックス)が左前へクリーンヒットを放った。

問題の場面はこの直後。打球が鋭いライナー性だったが、三塁コーチャーの清水外野守備・走塁コーチは迷いなく右手を回す。だが山田は本塁突入前で好返球に刺されて憤死した。稲葉監督はすかさずリクエストを要求したが、判定は覆らずアウト。後続も倒れてこの回無得点に終わった。

NHKの中継解説を務めた北京五輪日本代表主将でヤクルトOBの宮本慎也氏は「二死であれば分かるが、続く打者が4番の鈴木誠也ですから…」「セオリーからすれば、コーチは(走者を)回すべきではなかった」と指摘した。

走者が俊足の山田哲ではあったが、劣勢の展開を頭に入れていれば絶対にアウトになってはいけない場面。土壇場9回の猛攻で試合をひっくり返したが、結果次第では悔みきれないミスとなっていた。

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