日産、3期ぶり黒字転換へ 22年3月期予想、米国市場改善

オンライン会見で決算について説明する日産自動車の内田誠社長

 日産自動車(横浜市西区)は28日、2022年3月期の連結業績予想を上方修正し、最終損益が600億円の赤字から600億円の黒字に転換する見通しだと発表した。主要市場の米国での収益が想定以上に改善する。通期での黒字は19年3月期以来、3期ぶり。

 世界販売台数は440万台とする今年5月の従来予想を維持した。ただ、値下げの横行によりブランド価値が低下した米国市場で、値引き販売や販売奨励金の抑制が想定以上に進むなどし、営業利益が1050億円改善すると見込む。為替レートの見直しも800億円の増益要因となる。

 一方、足元で続く原材料費の高騰については、営業利益を350億円押し下げるとした。従来予想で織り込み済みの金額と合わせると、通期で約1850億円の減益要因になる。

 こうした最新見通しを踏まえた結果、22年3月期連結業績予想の売上高を9兆1千億円から9兆7500億円に、営業利益をゼロから1500億円に上方修正した。

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