壁駆け上がる重力に逆らったダンス アニメーションなど使わず実際に撮影 「イン・ザ・ハイツ」本編映像

7月30日より劇場公開される、トニー賞作品賞を受賞したブロードウェイ・ミュージカルの映画化作品「イン・ザ・ハイツ」から、重力に逆らって展開されるデュエットシーンの本編映像が公開された。

公開された本編映像は、ベニー(コーリー・ホーキンズ)とニーナ(レスリー・グレース)のデュエットシーン。ジョージ・ワシントン・ブリッジをバックに、夕焼けに照らされるベランダで、自分たちのこれからを楽曲「When The Sun Goes Down」として歌い上げる2人。突然ベニーが建物の壁に足をかけると、壁を地面にして歩き始める。ベニーから差し出された手を取ったミーナも加わり、2人は壁の上をダンスを踊りながら歌う。

本作の振付を担当したクリス・スコットによると、フレッド・アステア主演の「恋愛準決勝戦」と同じ、カメラとセットの壁が同時に回転する仕組みで撮影されたという。また、アニメーションなどは加えられず、出演者は実際に踊っているという。スコットは「難しかったのは、実際に回転するセットを使って練習ができる時間が限られていたので、テーブルを逆さまにして階段に見立てたりして、『多分こんな感じになる』と想像しながら作り上げなくてはならなかったところだ」と明かし、成功できたのは、長年に渡り一緒に仕事をしてきた監督や撮影監督との信頼関係にあると語っている。

難しいシーンを実際に演じたレスリー・グレースは、「本当に大変なシーンだった」「まるで遊園地の乗り物に乗っているような感覚だったの!壁のセットが完成するまで、リハーサルもできなかったから、映画の中でも最後に撮影されたシーンよ。ベニーとニーナにとっての大切なシーンだから、成功させるために、コーリーと私は愛と努力を沢山注いだわ。今までこんな風に踊ったことがなかったから、大変だったけれど、クリス・スコットのおかげで無事成功させられた。私たちの体の一部は、まだあのセットの上にあるんじゃないかって言うぐらい、身を粉にして頑張って、努力の甲斐があるシーンになったわ」と振り返っている。

「イン・ザ・ハイツ」は、トニー賞で最優秀作品賞を含む4冠を獲得し、グラミー賞では最優秀ミュージカルアルバム賞を受賞した、リン=マニュエル・ミランダによる「ブロードウェイ・ミュージカルを映画化した作品。監督は、「クレイジー・リッチ!」のジョン・M・チュウが務める。歌手のアリアナ・グランデや俳優のヒュー・ジャックマンが称賛の言葉をSNSに投稿し、アメリカの批評家からはアカデミー賞に推す声が挙がるなどの評価を得ている。

【作品情報】
イン・ザ・ハイツ
2021年7月30日(金)全国ロードショー
配給:ワーナー・ブラザース映画
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