西九州新幹線「かもめ」 内外装デザイン発表 懐かしく新しい空間表現

指定席の一つ「唐草」模様の座席(手前)=福岡市、JR九州本社

 JR九州は28日、来年秋に暫定開業する九州新幹線長崎ルートに導入する列車「かもめ」のデザインを発表した。コンセプトは「九州らしいオンリーワンの車両」。外装は白と同社のコーポレートカラーである赤のツートンカラー、内装は伝統感と高級感を意識したデザインとカラーで「懐かしくて新しい空間」を表現したとしている。
 外装、内装のデザインは、豪華寝台列車「ななつ星in九州」などを手掛けた水戸岡鋭治氏が担当。車両側面には同社の青柳俊彦社長が書いた列車名「かもめ」の毛筆文字のデザインを配置し「日本らしさ」も表した。
 車両は東海道新幹線の「N700S」を使用し、指定席(横4席)と自由席(横5席)が各3両の計396人乗り。指定席の椅子の絵柄は「菊大柄」「獅子柄」「唐草」と車両ごとに異なる。カラーはアイボリー、モスグリーン、ベージュの3色を用いて優しさや大人の雰囲気などを演出。自由席はやまぶき色の椅子で明るい空間となっている。

車両のデザインについて説明する水戸岡氏=福岡市、JR九州本社

 同日、福岡市のJR九州本社で発表会見があり、水戸岡氏は新幹線による西九州の地域活性に期待を示し「新たな経済、文化、人のコミュニケーションが生まれるための車両になればうれしい」と述べた。
 長崎ルートは来年秋に武雄温泉-長崎間が暫定開業し、長崎から博多に向かう場合、武雄温泉駅のホーム対面で在来線特急に乗り換える。同ルートのうち佐賀県内の未着工区間、新鳥栖-武雄温泉については整備方式が決まっていない。


© 株式会社長崎新聞社