「読書ノート」の書き方やメリットとは?続けるコツを知って同僚に差をつけよう

読書ノートとは?

インターネットで多くの情報が手に入るようになった現在でも、何かを学びたい時や悩みができた時、本に手を伸ばす人は少なくないのではないでしょうか。本はひとつのトピックについて、数十ページから数百ページという大きなスケールで知識や考え方を体系的にまとめてくれます。

しかし本を読んでも内容を忘れては意味がありません。本の隅々まで記憶することは不可能ですが、心に残ったことくらいは振り返れるようにしたいですね。
そこでおすすめなのが「読書ノート」。文字通り読書の記録をつけるためのノートで、文具店などに行けば専用のノートも売られていますが、ペンとノートがあればすぐに始められます。

書き方は手書きがおすすめです。その理由は、まず第一に手書きの方が記憶に残りやすいから。第二に、図解など文字以外の情報を書き込みやすいから。第三に、読書ノートを継続するとノートが増えていき、視覚的にも達成感が得られるからです。

一方でPCやスマホでつける読書ノートは、あとから編集や検索がしやすいという利点があります。これは手書きにない特徴です。しかし「まずは読書の習慣をつけたい、有意義な読書にしたい」という人には手書きをおすすめします。

読書ノートをつけるメリット

【1】記憶に残る、備忘録になる

読書ノートをつけるとあとで思い返す時に便利です。「何か役に立つ知識を読んだけど、誰の何という本だったっけ」という場面でも役立ちます。
また、記録をつけることで「この出版社は最新のIT技術に強いんだな」、「この作者は恋愛についての本は合わなかったけど、家族に関する本はもっと読みたいな」といった感想が可視化され、情報収集のノウハウがついてきます。

【2】理解が深まる

ノートのスペースは限られているため、読書ノートをつけるには内容を短くまとめる必要があります。ただ義務的に読み流すだけの読書では要点を押さえられないので、自然としっかり読み込むようになります。読みっぱなしにするのではなく、読み終わったあとに目次や前書き、あとがきなどを読み返すと本の全体像がよくわかるはず。逆に、読書ノートの書き方がわからなくなったら、その部分はいまいち理解できていない証拠です。

【3】批判的な読み方ができる

インターネットほどではありませんが、本の世界も玉石混交です。人生を変えるような本があるかと思えば、よく読むと内容が薄かったり、いい加減だったりするような本もあります。
読書ノートの書き方は、批判的に読むところから始まります。批判的に、というと意地悪な読み方のように感じるかもしれませんが、本の内容を鵜呑みにせず、主体的に読むことはとても大切です。「この主張の根拠はなんだろう?」、「何かの商品を宣伝をしたいだけじゃない?」、「大事なことを見落としていない?」など、疑問を持ちながら読んでみましょう。

読書ノートを続けるコツはがんばりすぎないこと

読書ノートのメリットを紹介してきましたが、はじめのうちはがんばりすぎないのが続けるコツです。「読書だけじゃなくて、読書ノートまでつける自分はなんてえらいんだ!」と自分をほめながらやってみましょう。心に残った本だけ記録してもいいですし、一言の感想や気に入ったフレーズ、紹介されていた本のタイトルをメモする程度でもかまいません。読書自体が億劫になっては元も子もないので、ほどほどにしましょう。

読書ノートの書き方

【ビジネス書】

@chico_diary

【人間関係】

@orchid_aya

【自己啓発本】

@uuu.ma.uuu.ma

【小説】

@miku_dks

【1】基本情報をメモする

ここからは読書ノートの書き方を紹介します。ぜひ押さえておきたいのは読んだ本の基本情報。以下のような内容をメモします。

  • 本のタイトル
  • 作者名
  • 出版社
  • 発行年や版

これらは本の身元を特定するために欠かせません。人におすすめの本を紹介する時にも役立ちます。発行年はサブ的な情報ですが、ITなど移り変わりの早いジャンルでは数年経っただけで現状とズレてくることもあるので、一応メモしておくといいですよ。

【2】本を書かれた目的を確認する

文芸書は別にして、実用書は目的や問題意識を元に書かれているはず。タイトルや帯、目次に目を通してそのテーマをメモしておきましょう。前書きにそのものズバリと書いてある場合もあります。「休日の半日で1週間分の夕ご飯を仕込むには?」、「若くして現場責任者になった場合のリーダーシップのとり方」というように、簡潔な書き方が理想です。読む時にテーマを頭に入れておくと、今読んでいる部分がテーマの根幹に関わる部分なのか、それとも余談の部分なのかがわかりやすくなります。

【3】付箋を貼りながら最後まで読む

読み始めたら、気になる部分に付箋をどんどん貼っていきます。印象に残った文章、「本当にそうかな?」と疑問に思った箇所、あとでじっくり調べたい部分などさまざまです。細めの付箋を用意し、いくつかの色を使い分けるとあとで整理をする時に楽です。この時のコツは、付箋を貼るだけにとどめてメモなどは取らないこと。疑問に思ってもあとの章で解消されるかもしれませんし、いちいち読書を中断すると集中力が続きません。メモの時間をまとめてとる書き方がおすすめです。

ただし付箋を貼るのは自分の本だけにして、図書館の本や他人から借りた本には使わないようにしましょう。剥がせば元通りと思っても、実は一緒に活字のインクが剥がれたり、糊がついてのちのち跡に残ったりして本を傷めることがあります。

【4】付箋の箇所を見返しつつ感想を書く

読み終わったら、付箋の部分を中心にはじめからざっくり読み返します。付箋が不要だったと感じる箇所や、あとから印象深く思える箇所が出てくるはずなので、付箋を移動させます。
それから、ノートに感想を記していきます。書き方は箇条書きでもレポート形式でも、イラストを交えてもかまいません。本から引用するのも良いでしょう。

【5】「本を書かれた目的」に応える箇所をまとめる

先ほど、本のテーマをまとめるという工程を紹介しました。読み終わったら、そのテーマに応答する形で短い文章をまとめてみましょう。本の全体を把握できていればわかりやすくまとめられるはずです。読み終わってみて「思っていた本ではなかったな」と感じたら、あらためてどんな本だったのか、テーマを立て直してみるのもおすすめです。

【6】疑問点や参考図書をメモしておく

感想やまとめとは別の枠を作り、疑問点や参考図書もメモしておきましょう。疑問が出てくるのは自分の理解不足によるものかもしれませんし、読んだ本が興味や関心と微妙にズレていたからかもしれません。作者と価値観が違うことも考えられます。自分の思考を深めたり、ひらめきの元になったりもするので、時々読書ノートを見返すことをおすすめします。

まとめ

今回の記事では、読書ノートの書き方を紹介しました。大人になるとじっくり机に向かって勉強する時間は減ってきてしまいますが、たまには1冊の本に深く向き合ってみるのも楽しいものです。少しずつでも続けることに意味があるので、まずは気軽に始めてみてくださいね。

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