セックス・ピストルズ、未発表曲8曲を含む4枚組ボックス『76-77』発売決定

Photo: RB/Redferns

セックス・ピストルズのアルバム『Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols(勝手にしやがれ‼)』収録曲のデモ音源やアウトテイクを集大成したCD4枚組のボックス・セット『76-77』が2021年9月24日に発売されることが決定した。未発表曲が8曲、そしてデジタルでは初公開となる30曲が収録される。

『76-77』は、1977年の『Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols』をリリースする以前にセックス・ピストルズがレコーディングした音源を集大成したコンピレーション。ここには1976年5月から1977年9月までのあいだに録音されたオルタネート・ヴァージョンが80種類以上収録される。

こうしたレコーディングを足がかりにして完成したアルバム『Never Mind the Bollocks, Here’s the Sex Pistols』はピストルズが残した唯一のスタジオ・アルバムとなり、文化的に重要で記念碑的な作品のひとつとして歴史にその名を刻んでいる。

今回リリースされる『76-77』は、アルバム『Never Mind the Bollocks』が完成するまでの道のりをデモ音源やアウトテイクを通じてたどるサウンド・ドキュメンタリーとなっている。あの名盤は単なる幸運の産物などではなく、ごく短い濃密な時期に、インスピレーション、創造性、そして多大なる努力によって作り上げられた。そしてその時期には、ピストルズの悪名を世に知らしめた出来事が立て続けに起こっており、それらは今や伝説となっている。

『76-77』と『Never Mind the Bollocks』の関連性

セックス・ピストルズのオリジナル・メンバー、ジョン・ライドン、ポール・クック、スティーヴ・ジョーンズ、グレン・マトロックがグループを結成したのは1975年の夏のこと。それからわずか10カ月後に、彼らは初めてレコーディング・スタジオに足を踏み入れることになった。

その初めてのレコーディングは1976年5月15日にロンドンのマジェスティックで行われ、セッションにはクリス・スペディングが立ち会っている。さらに7月にはまずデシベル、次いでリヴァーサイドでデイヴ・グッドマンと共にレコーディングが行われ、10月にはランズダウンとウェセックスでもレコーディングを実施。こうした初期のレコーディング・セッションの成果はセックス・ピストルズ『76-77』にすべて含まれている。つまり、このコンピレーションを聴けば、曲やピストルズのサウンドがどのように進化していったのか確認することができるのだ。

この時期にピストルズはEMIと契約し、同社のマンチェスター・スクエア・スタジオでもセッションを行っていた。そのときの音源も今回のセットには含まれている。

そしてピストルズはシングル「Anarchy In The UK」をリリースするが、同曲のプロモーションのために行った活動はかえって逆効果となった。そして1976年12月1日にITVのビル・グランディの番組に、クイーンの代役としてゲスト出演してスキャンダルを巻き起こした結果、EMIは1977年1月6日に契約を解除。ピストルズはEMIからの前金4万ポンドをそのまま活動資金とし、すぐにデイヴ・グッドマンと共にイーデン・スタジオとグースベリー・スタジオでレコーディングを続けた。2月にはグレンが脱退し、代わりにシド・ヴィシャスが加入した。

やがて3月9日、ピストルズはA&Mと契約 (契約金は15万ポンドだった) 。その翌日には、バッキンガム宮殿の外でマスメディア向けに契約の調印式を再現してみせた。A&Mはシングル「God Save The Queen」を3月25日にリリースするために、急いでレコードのプレスを始めた。そうして2万5000枚がプレスされたが、予定されていた発売日にA&Mはシングルのリリースを中止したことを発表。ピストルズとの契約を解除し、既にプレスの終わっていたシングルを破棄した。一方ピストルズは契約解除の補償金として7万5000ポンドを手にし、さらにレコーディングを続けた。

1977年5月13日 、ピストルズはヴァージン・レコードと契約し、同年9月までレコーディングを行う。そしてその翌月、 『Never Mind the Bollocks』がリリースされたのだった。

Written By uDiscover Team

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**セックス・ピストルズ『76\-77』
2021年09月24日発売
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