【体操】5位の村上茉愛が号泣 SNS〝誹謗中傷〟明かす「嫌なコメントを見てしまって…」

インタビューで涙を見せる村上茉愛

東京五輪の体操・女子個人総合決勝が29日、有明体操競技場で行われ、日本女子エースの村上茉愛(24=日体クラブ)が5位となり、悲願のメダル取りを逃した。

ケガをしながらも自分の演技には満足していた村上。試合後のミックスゾーン(取材エリア)では笑顔を見せながら感想を語っていたが、海外メディアから「SNSでの誹謗中傷」「メンタルヘルス」について質問が飛ぶと、突如、表情が一変した。

「なかなか日本のメディアからは出ない質問ですね、言っていいのかな、自分もありました…」と言うと、堰(せき)を切ったように涙があふれた。そこからはおえつするほどの号泣なり、新型コロナウイルス禍の1年で味わった〝誹謗中傷〟を振り返りつつ「そういうのが嫌でSNSをやっていなくて…。コロナになって、いろんな人がいろんなことに中傷する世の中になった。アスリートが発言するのがものすごく難しいなって」と声を震わせた。

さらに、今大会の団体予選の後にも心ないコメントを目にしたという。

「消去しましたけど、すごく嫌なコメントを見てしまって、すごく残念で…。でも、それを周りに相談して、そんなの気にしなくていいからって」

どちらかというと村上は思ったことをストレートに表現する。自分の気持ちにウソをつきたくない。その一心で発言もしてきたが、最近は苦しみが伴ったという。

「言いたいことを言ってきたけど、本心は言えてなかった。特に、この1年は」

また、反五輪の意見がアスリートに向けられる状況にも思うところがあった。

「そういう人がいるのはすごく残念だなってすごく思います。反対している人も知っているし、もちろん分かるし。だけど、(誹謗中傷は)見たくなくても見てしまう、勝手に入ってきてしまう、すごく残念だなって、悲しかったなって」

ここまで吐き出すと冷静さを取り戻し、「そういう人を見返したいと思ってこの1年頑張ってきた。思い知ったかって」と言って、最後は村上らしく笑った。

村上のラスト演技は8月2日の種目別・床。言葉に尽くせぬ思いを胸に、最後は笑顔で終えるつもりだ。

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