入域客を抑制し環境負荷の軽減図る 竹富町西表島の取り組み〈沖縄・奄美 世界自然遺産登録特集〉

 豊かな自然と共に、人々の暮らしも営まれる。人間活動のさまざまな影響から自然を守ろうとする地域の取り組みを紹介する。登録後は地元だけではなく県内外の人々も、この「宝」を守る行動が求められる。
 
 西表島を有する竹富町は関係機関と連携し、島の環境負荷軽減のために過剰な観光客数を抑制する取り組みを進めている。2020年1月に世界自然遺産候補地地域連絡会議の西表島部会がとりまとめた基本計画は、ピーク時の1日当たりの来島者数を1230人と設定した。

 エコツーリズム推進法に基づく「西表島エコツーリズム推進全体構想」による島内の地域ごとの立ち入り人数制限についても、調整中だ。

 また町は7月、島の自然保護を目指す「西表財団」の設立を目的に、運営資金確保のため、ふるさと納税制度を活用したクラウドファンディングも始めた。

 地元や関係機関だけではなく、西表ファンの支援も受けて自然を守っていく。

▼地域挙げ希少種守る GPS使い外来種の情報収集 沖縄北部3村の取り組み
▼山の奥に眠る共生の跡 やんばる〈ルポ〉選定地域を歩く
▼山と海が一体となり豊かさ育む西表島〈ルポ〉選定地域を歩く
▼協力金創設し保全に活用 93年遺産登録・屋久島の教訓 環境保護で続く模索
▼夜明けに響く命の合唱 奄美大島〈ルポ〉選定地域を歩く
▼隣り合う暮らしと自然 徳之島〈ルポ〉選定地域を歩く
▼「人類共通の宝」としての自然や文化 ユネスコの世界自然遺産
▼琉球弧の恵み共有 暮らし自然一体 <沖縄・奄美つなぐオンラインシンポジウム>

© 株式会社琉球新報社