【自転車】アフリカ選手に「ラクダ乗り」発言 ドイツ代表スタッフに資格停止処分

ニキアス・アルント(先頭)は差別発言にガク然とした(ロイター)

自転車男子ロードタイムトライアル(28日)で人種差別発言し、ドイツ代表から追放されたサイクリングディレクター、パトリック・モスター氏への批判が止まらない。

同氏は28日の競技中にアルジェリアとエリトリアの選手を追いかける自国選手に「ラクダ乗りを捕まえろ」と指示を出したが、その場面がテレビ中継で放送された。モスター氏は選手を鼓舞しようとしたと釈明したものの、後に「言葉が不適切だった」と謝罪。そのまま29日にチームを離れて母国に帰国した。

英紙「ガーディアン」によると、ドイツオリンピックスポーツ連盟の会長であり、東京五輪選手団のアルフォンス・ヘルマン氏は「これらのコメントで、モスター氏はオリンピックの価値観に違反しました。ドイツにとって公正なプレー、尊敬、寛容は議論の余地がありません」とコメント。

一方、差別発言を受けたアルジェリアのエゼディネ・ラガブは「ラクダレースではなかった。私は競技しに来ました。少なくとも私はTOKYO 2020にいました」と反応。同紙はモスター氏から指示を受けたドイツのニキアス・アルントについて「彼はディレクターの言葉にがく然とし、彼のコメントを受け入れられないと批判した」と伝えた。

国際自転車競技連合(UCI)はモスター氏を資格停止処分にしたと発表。ドイツ国内でも差別発言に対して「自転車チームの責任者としてバッシングに直面している」と伝えている。

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