沖縄県が防衛局に行政指導 辺野古サンゴ移植強行の中止求める

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、防衛省が工事予定海域のサンゴ類移植を強行したことを受け、沖縄県は30日午後、沖縄防衛局に対し、ただちに移植作業をやめるよう行政指導した。午後4時までに回答するよう求めている。

 県は28日にサンゴの移植を許可したが、高水温期や繁殖期を避けることなどを条件としていた。県の認識では7月は高水温期に入っている。だが防衛局は29日、県の条件に反して移植作業を始めた。

 玉城デニー知事は30日朝の会見で、防衛局自身も許可の申請時に高水温期の移植作業でサンゴが死滅する可能性を認めていたとし「なぜ夏場の今、移植するのか防衛局に確かめなければならない。専門家もサンゴの生残率を低下させると言っているので、ただちにやめるよう言うことは正当だ」と語っていた。

 県は30日朝から現場海域に職員を派遣して海上と陸上から状況を確かめた。船から水をくみ上げて温度を調べるなどしていた。

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