安倍前首相やはり五輪に触れず 1か月ぶりツイートは自身の「不起訴不当」議決

安倍晋三前首相

安倍晋三前首相(66)が30日、ツイッターを約1か月ぶりに更新。東京五輪のメダルラッシュに沸く中、招致に携わっていた安倍前首相の沈黙は臆測を呼んでいたが、検察当局の〝発表待ち〟だったということか――。

くすぶっていた一件から再び煙が上がった。安倍前首相は「桜を見る会」懇親会の費用補填を巡って、公職選挙法違反の疑いにかけられ、昨年12月に嫌疑不十分で不起訴処分となっていたが、この日までに検察審査会が一部を「不起訴不当」と議決した。

安倍前首相はこの日、6月24日以来となるツイッターを更新。「検察当局の厳正な捜査が行われ、私並びに事務所として真摯に対応し全面的に捜査に協力致しました。その結果検察当局により不起訴との判断が示されものと承知しております。この度検察審査会において、一部が不起訴不当とされました。私としては当局の対応を静か見守りたいと思います」と投稿した。

コロナ禍による無観客開催や人数制限などを理由に、安倍前首相は23日の五輪開会式を欠席。首相在任時には招致に深く関わっていただけに、一部から「無責任だ」と批判を浴びていた。

さらに五輪が始まっても、怒涛のメダルラッシュに沈黙していたことに「この時期に開催した責任を問われたくないのでは」「アンダーコントロール発言を蒸し返されたくないのでは」などと揶揄されていた。

検察審査会の不起訴不当の議決は今月15日付。安倍前首相はこの日の報道で「不起訴不当」を知ったというが、自重していたというのが実際のところだったようだ。

安倍前首相は報道陣の取材にも応じ、フォロワーからは1か月ぶりの投稿に安堵する声が上がっていたが、野党側は証人喚問を要求している。今後、東京地検特捜部が再捜査し、起訴するかどうかを判断する。

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