2020年の夏頃に相次いでデビューしたコンパクトSUV「日産 キックス」と「トヨタ ヤリスクロス」。日本の街中でも扱いやすいサイズに、ハイブリッドで300万円以内に収まる価格帯で人気を集める2台だ。今回はキックスとヤリスクロスの内装をチェック。質感は良い勝負ながら、後席の広さはキックスが圧勝だった!
全長4.2メートルのヤリスクロスに対し、4.3メートルとひと回り大きな日産 キックス
トヨタのコンパクトSUV「ヤリスクロス」は、2020年2月に「ヴィッツ」の後継車として登場したコンパクトカー「ヤリス」をベースに2020年8月31日発売を開始したモデルだ。
対する日産 キックスは、もともと2016年にブラジルで発表されたモデル。2020年、大規模なデザイン変更を伴うマイナーチェンジを機にタイで生産を開始。新たにハイブリッドシステムe-POWERを搭載したモデルを輸入し、2020年6月30日より発売を開始した。
全長4.2メートル弱のヤリスクロスに対し、キックスは全長4.3メートル弱とやや大きいのが特徴。その分、室内の広さに違いが出そうだ。ここで2台を詳しく見比べてみよう。
ミニマムなボディサイズゆえ、後席の広さは最小限な「トヨタ ヤリスクロス」の内装
トヨタ ヤリスクロスの内装を見てみよう。インパネ周りは際立って高級というわけではないが、カジュアルな雰囲気の中で質感も上々である。
ボディサイズは全長4180mm×全幅1765mm×全高1590mm、ホイールベース2560mmとなっている。ちなみにベースとなったコンパクトカー、ヤリスは全長3940mm×全幅1695mm×全高1500mm、ホイールベース2550mとほぼ同じ。ヤリスクロスが非常にコンパクトに造られていることがわかる。
街中でも扱いやすいコンパクトさが特徴のヤリスクロスだが、その分室内空間の設計は割り切られており、特に後席は足元空間の余裕は少な目だ。ただしラゲッジは良く練り込まれており、最大で371リットル(6:4分割アジャスタブルデッキボード非装着モデル)の積載量を誇っている。
インパクト大! 鮮烈なオレンジカラーが目を引く「日産 キックス」の内装
オレンジタンの鮮烈なカラーが目を引く日産 キックス。これはツートーンインテリアエディションという仕様で、合皮のシート地と組み合わされる。好き嫌いも分かれそうだが、ブラックの内装色仕様もあるので好みに応じて選べばいい。さらに上質なブルー内装のカスタムカー「AUTECH(オーテック)」も用意されるなど、内装色の選択肢の幅が広いのもキックスの特徴だ。
ボディサイズは、全長4290mm×全幅1760mm×全高1610mm、ホイールベース2620mmと、ヤリスクロスに対しひと回り大きなサイズが特徴だ。
サイズの違いがはっきりとわかるのが後席の広さだろう。偶然にもヤリスクロスとほぼ同じ角度で写真が撮られているため、比較がしやすい。特に後席の足元空間にその差が出ている。実際、筆者が2台を乗り比べた際も、頭上空間含め後席の広さという意味ではキックスの圧勝であった。
また荷室容量も423リットルと、コンパクトSUVクラスの中でもトップクラスの広さと使い勝手を誇る。
ヤリスクロスを検討している方で、後席を多用するファミリーユースなどの場合には、自身が使うシチュエーションなどを想定しながら実際の試乗車でしっかり確認しておきたいところだ。
[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:TOYOTA・NISSAN]