ホッケーの瀬川、恩師へ1勝を 「恩返ししたい」

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日本―ニュージーランドの第1クオーターで攻め込む瀬川=26日、大井ホッケー競技場

 東京五輪のホッケー女子で、岩手県岩手町出身のMF瀬川真帆(東京ヴェルディ、岩手・沼宮内高出)が豊富な運動量でチームを支えている。飛躍の原点は岩手時代。世界に通用するプレーを培い、競技への情熱を育んだ。4連敗で1次リーグ敗退が決まったが、1勝を目指して31日の最終戦に臨む。
 29日にあったアルゼンチン戦は第2クオーターに追い付く粘りを見せながら、後半に勝ち越しを許した。瀬川もシュートを放ったがネットを揺らすことはできず「チャンスが来た時に決め切れなかった」と悔しがった。
 岩手町川口小でホッケーを始め、同川口中2年で全国中学大会準優勝、3年で3位に輝き、年代別代表にも選ばれた。それでも本人の興味はダンスにあった。授業の合間にAKB48などのアイドルグループをよくまねていたという。高校で競技を続けたのも、周囲の強い勧めに負けたからだった。
 沼宮内高は全国的な強豪校。佐々木正人監督(当時)の指導は厳しかった。「最初はめちゃくちゃ怒られ、毎日悪口を言いながら家に帰った」。怒られまいと必死になるうち「気が付いたら、自分で考えてプレーする基礎が身に付いていた」。
 3年でインターハイを制覇。正規部員が11人に満たず、助っ人を借りての出場だった。穴を埋めようと、どんな場面にも顔を出し、あらゆる役割をこなしてみせた。
 高校でホッケーをやめるつもりだったのを翻意させたのは佐々木監督だ。「俺のために五輪に出てくれ」と懇願され、思いとどまった。
 「『この人のために勝ちたい』と初めて思わせてくれた人。恩返しがしたいと思った」。恩師の思いも背負い、最終スペイン戦に臨む。
(佐藤夏樹)