父子の夢、東京で花開く 陸上400障害の山内

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男子400メートル障害予選でゴール後にガッツポーズする山内=国立競技場

 30日の東京五輪陸上男子400メートル障害で、会津若松市出身の山内大夢(ひろむ)(早大、福島・会津高出)が予選で3位に入り、準決勝進出を決めた。父で高校の監督だった淳一さん(63)=現喜多方高教員=と二人三脚で歩んできたハードルの道。初めて日の丸を背負う21歳が快走を見せた。
 日本勢の先陣を切って挑んだ予選2組。ゴールした直後、両手をたたいて喜んだ。「目標にした舞台。楽しむしかないと思った」。肩で息をしながら充実感に浸った。
 「東京五輪に出場したいです」。山形であった4年前のインターハイ。同種目で2位に入って高らかに宣言している。しかし、1年前は無名とも言っていい存在だった。
 五輪の1年延期が追い風になった。今年5月、同じ国立競技場であったテスト大会で参加標準記録を突破。6月の日本選手権は4位に終わったが、最終3枠目に滑り込んだ。夢のまた夢だった東京五輪が現実のものとなった。
 父の教えは今でも厳格に守っている。新型コロナウイルスの感染拡大が始まった昨年春、大学の練習もなくなり実家に戻った。
 人のいない時間帯に外で練習したり、自宅でできる補強トレーニングに励んだり。「一滴の水も漏らさない準備。時間を無駄にしない。無駄な練習をしない」。子供の頃からたたき込まれてきたことを忠実に実践した。淳一さんも時間があれば息子の練習を見守った。
 「日本の代表、福島の代表として一つでも上のラウンドで勝負したい」。8月1日、日本勢初の決勝進出を懸け、会津魂を胸に準決勝に挑む。
(剣持雄治)