山口茜、流れを変えた「我慢」のラリー プサルラに驚異の粘り 東京五輪2020、バドミントン準々決勝

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女子シングルス準々決勝 インド選手と対戦する山口茜=武蔵野の森総合スポーツプラザ

 東京五輪バドミントン女子シングルス準々決勝は7月30日行われ、福井県勢の山口茜(勝山高校出身、再春館製薬所)はプサルラ(インド)と対戦。0-2で敗れたが、2大会連続の8強に入った。

 強打を止められない。第2ゲーム8-14。ここまでか-。しかし、山口は諦めない。地をはうように拾って、拾って、拾い続ける。ミスを誘って逆転し、先にゲームポイントを奪った。5年前の雪辱を誓う準々決勝。積み重ねた努力と執念が、驚異の粘りにつながった。

 息をのむ激闘だった。身長179センチのプサルラの強打は尻上がりに威力を増した。ロブが低く上がると、矢のようなクロスショットが飛んできた。何度も耐えた。序盤苦しんだアウトも減った。劣勢から、13-15まで追い上げる。

 ここで勝負所を迎えた。約1分、50回を超すラリー。制したのは山口だった。プサルラは両膝を突き、大きく肩を揺らす。山口も座り込んで動けない。課題に挙げてきた「我慢」そのもの。流れが完全に変わった。

 しかし、飛びついたレシーブは届かず、ジュースの末に屈した。前回は準々決勝で奥原(太陽ホールディングス)に敗れ、珍しく人前で涙した。「今回は笑顔で終わりたい」。そう語っていた山口は試合後、「やっぱり悔しい」。涙があふれた。

 「応援してくれる人に結果で応えたかった」という2度目の大舞台は、幕を閉じた。日本勢が次々に敗れ、奥原も山口の試合前に中国の選手に屈した。日の丸を背負う“最後のとりで”として「昨日以上にプレッシャーを感じていた」という。それでも前後に、左右に、持てる力を振り絞った。「やれることは、やれたと思う」。5年間の成長を刻んだ。