「コロナ対策が最重要」 県議会議長に就任 坂本智徳さん(67) 

県議会議長に就任した坂本智徳さん

 〈13日の定例長崎県議会最終本会議で第67代議長に選出された。県議会は、九州新幹線長崎ルートの全線フル規格化に向け、隣の佐賀県議会との連携強化が求められるなど、県政の重要課題で果たすべき役割は大きい。決意を聞いた〉

 -県政の課題をどう捉えているか。
 新型コロナウイルス感染症対策が最重要課題だ。一刻も早く収束に向かうよう、感染防止対策の周知や速やかなワクチン接種を県に引き続き働き掛けたい。さらに飲食業や宿泊業などコロナの影響で経営が厳しい事業者の声を各議員から県に届けてもらい、事業者支援につなげたい。
 また人口減少をいかに食い止めるか。離島には国境離島新法のおかげで転入が転出を上回る人口の「社会増」に転じた地域もあるが、県庁所在地の長崎市は転出超過が深刻だ。コロナで地方回帰の機運が高まっており、地域の魅力を発信できるよう努めたい。

 -九州新幹線長崎ルートは新鳥栖-武雄温泉の整備方式が決まっていない。長崎県が求めるフル規格に佐賀県は反対しており、長崎県議会の役割は重要だ。
 長崎から博多まで全線フル規格でつながって、長崎ルートの効果は最大となる。瀬川光之前議長が佐賀県議会との連携強化に努めてきており、その中で、過去にあった両県議会の交流の場を復活させる話が持ち上がっている。何とか実現させたい。そこでは新幹線だけではなく、有明海沿岸道路整備や国営諫早湾干拓事業など両県にまたがる課題の解決の糸口も探りたい。

 -政治離れが言われて久しいが、県議会や県政への関心をどう高めるか。
 県民のニーズや地域の課題が複雑化する中、多様な意見を反映させ合意形成を図る県議会の役割は従来以上に大きくなっている。そのような中、県議会は今年3月、各地域の課題解決に貢献できる人材を育成している県立大と連携協定を締結した。議会事務局で学生のインターンシップを受け入れるなどして政治に親近感を覚えてもらうことで、若者が地域の課題に関心を持ち、投票所に足を向けるきっかけになってくれればと願っている。

 【略歴】さかもと・とものり 小学1年まで上五島で過ごした後、父の仕事の関係で対馬に移り住む。追手門学院大中退。1999年、県議に初当選。現在5期目。対馬からの議長就任は第47代の故古藤恒彦氏以来36年ぶり。趣味は書画骨董(こっとう)の鑑賞。

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