感染急増中も「パブリックビューイング」開催へ 「地元から五輪選手そう出ない」大声や飲食禁止で

パブリックビューイングを開催する予定のガレリアかめおか(亀岡市)

 東京五輪の空手組手男子75キロ超級で出場する京都府亀岡市出身の荒賀龍太郎選手を応援するため、亀岡市と同選手後援会(会長・桂川孝裕市長)が、8月7日に市内でパブリックビューイング(PV)を企画している。新型コロナウイルス対策を徹底し200人規模で開くが、感染者は急増中。PVに慎重な自治体が多い上、政府は京都府にまん延防止等重点措置の適用も決めた。亀岡市の担当者は感染動向に悩みつつ「金メダルの可能性が高く市を挙げて応援したい、その一念」と、予定通りの実施を目指している。

 PVは亀岡市のガレリアかめおかで7日午後4時~8時半ごろまで、大型スクリーンにテレビ中継を映す。入退場自由で予約不要。荒賀選手の予選は同4時50分以降、決勝は同8時5分からの予定。大声禁止、会場内飲食禁止などコロナ対策を取る。

 密集や大声を出すリスクのあるPVは、東京都をはじめ全国的に中止が相次ぐ。京都市は市民にPVの自粛を要請しており「応援で熱くなると禁止していても大声を出してしまう。五輪だけでなく高校野球のシーズンでもあり、リスクを回避したい」とする。

 府内の感染者数は7月28日に過去最高を記録し、危機感を強める府危機管理部はPVについて「中止を求める権限は府になく、感染防止ルールを徹底してもらえばよい。ただ、黙って間隔を空けて座り、中継を見ているだけなら自宅で見ても変わらないのでは」。菅義偉首相も国民向けにテレビ観戦を呼び掛けている。

 亀岡市生涯スポーツ課は「亀岡から五輪選手はそうそう出ない。府の動向や市内感染者数の推移を踏まえるが、現段階では開催したい考えは変わらない」としている。

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