平和祈念式典 73カ国、EUが参加予定 米露中など核保有7カ国も

 長崎市は30日、被爆76年となる8月9日の「長崎原爆の日」に同市松山町の平和公園で開く平和祈念式典に、73カ国と欧州連合(EU)の代表が参列を予定していると発表した。核保有国は米国、中国、英国、フランス、ロシア、イスラエル、インドの7カ国で、パキスタンは欠席する。
 新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため参列は招待者に限り、座席は昨年と同様、例年の8分の1となる500席程度を用意する。
 市は156カ国の駐日大使らを招請。今回予定通り参加すれば被爆70年の2015年の75カ国に次いで過去2番目の多さになる。初めて参列する国はない。国連からは、中満泉・事務次長兼軍縮担当上級代表がグテレス事務総長の代理として出席する方向で調整している。
 式典は午前10時45分から1時間。原爆投下時刻の11時2分に黙とうした後、田上富久市長が平和宣言を読み上げる。新型コロナ感染防止のため、開式前に被爆者が披露していた合唱は、昨年同様に中止。小学生や高校生による合唱、献花は人数を減らして実施する。
 式典に従事する職員は新型コロナの抗原検査を実施。参列者らは密を避けるため時間差で入退場し、座席は2メートルの間隔を空けて配置する。屋内会場2カ所の座席数は例年から半減。長崎ブリックホール(茂里町)が千席程度、長崎原爆資料館ホール(平野町)は170席程度とする。


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