栃木県内 過去最多170人感染 同窓会クラスターなど発生 「まん延防止」要請検討

県内の新型コロナウイルス感染者数

 栃木県と宇都宮市は31日、新たに170人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日当たりの発表数としては、今年1月8日の150人を超え、過去最多となった。県は1日に対策本部会議を開き、同日開かれる全国知事会議の議論も踏まえ、県内の飲食店に対する営業時間短縮要請の対象地域を7市から全県に拡大することや、国に「まん延防止等重点措置」の適用を要請することなどを検討する。

 新規感染者が100人を超えるのは5日連続となった。新たに82例目、83例目となるクラスター(感染者集団)が確認された。

 82例目は高校同窓生の10代~20代の男女12人が、県内でバーベキューなど複数回の食事会を開いたり、県外で海水浴をしたりした。31日までに7人(県内分は6人)の陽性が判明した。83例目は真岡市内の個人宅で7月23日に親族、友人二十数人で会食した。31日現在11人の陽性が確認された。

 新規感染者は10歳未満~80代の男女で、1人が重症。また、これまでの感染者のうち、10歳未満~80代の男女37人で、変異株「デルタ株」の疑いを確認した。このうち19人は感染経路が不明。

 県は新型コロナの感染急拡大を受け7月29日、県版の警戒度レベルを5段階のうちの上から2番目に当たる「ステージ3」に引き上げた。

 感染の広がりが深刻な宇都宮、足利、栃木、佐野、日光、小山、真岡の7市の飲食店に対し、8月2~22日の間、営業時間を午後8時までに短縮するよう要請することを決めたばかり。県の対策の状況が、刻々と変化するほどに県内で急激に感染が拡大している。8月1日の感染者数によっては、より踏み込んだ措置を取る可能性もある。

 県内の累計感染者数は8324人となった。県と宇都宮市は31日、259件を検査した(委託の未集計分は除く)。累計検査数は35万401件、退院者7494人、入院者187人、宿泊療養者222人、自宅療養者275人、入院調整中146人、重症者11人。

県内の新型コロナウイルス感染者(31日発表)

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