北信越総体2021 ソフトボール女子 長崎商初V 4校同時、県勢金メダル第1号 春の王者に雪辱

【ソフトボール女子準々決勝、長崎商-佐賀女】最後の打者を打ち取り、喜びを爆発させる長崎商の選手たち=福井県敦賀市、きらめきスタジアム

 春に続く全国4強入り。しかも、今回は優勝のおまけがついてきた。ソフトボール女子の長崎商が、3回戦、準々決勝を立て続けに制して「4校同時優勝」を達成した。「最高の気分。勝ちたい気持ちを強く持ってくれたからこそ苦しい試合をものにできた」と溝口監督。今大会の県勢金メダル第1号となった。
 準々決勝で戦った佐賀女は、3月の全国選抜大会を全試合無失点で制した王者。長崎商も準決勝で敗れた相手で、今季は練習試合も含めて一度も勝っていない強敵だった。加えて、主将の小島が3回戦後に熱中症となり、佐賀女戦はベンチ入りが難しい状況に。チームは満身創痍(そうい)に近い状態だったが、エース川瀬は「これでチームの団結がさらに強くなった」。
 序盤の集中打で二回までに2点を先攻。佐賀女も譲らず五回に2-3と逆転を許したが、ここから今大会の長崎商の強さが出た。直後の六回に4安打と犠飛で4点を加えて再逆転すると、最後はエース川瀬がピンチを切り抜けてゲームセット。歓喜の瞬間を迎えた。
 大会が始まる前日、野球部の甲子園出場が決定。既に現地入りしていた選手たちはライブ配信で同級生らの奮闘を見届け「次は私たちの番」と一段と気合が入ったという。溝口監督は「部活生で学校全体のムードが良くなり、それがまた自分たちの力になる好循環」と相乗効果を口にした。
 「4校同時優勝」という幕切れとなり、日本一を勝ち取った実感は薄い。だが、春夏どちらも4強入りしたチームは唯一、長崎商のみ。紛れもなく「今年のベストチームだった」と胸を張れるのではないだろうか。

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