ウルシ科の木「ハゼ」の実から作られる和ろうそく。ジュニア特派員(とくはいん)3人が手間を惜(お)しまない作り方にこだわる「本多木蝋工業所(ほんだもくろうこうぎょうしょ)(島原市有明町)」の本多俊一(しゅんいち)さんに和ろうそく作りを教わりました。
ジュニア特派員(とくはいん)
(写真中央右から)
(は)浜口帆乃花(はまぐちほのか)記者(11)
=諫早市立森山東小6年=
(ひ)平野亜琉人(ひらのあると)記者(8)
=南島原市立有馬小3年=
(お)太田陽日(おおたはるひ)記者(6)
=時津(とぎつ)町立時津小1年=
教えてくれた人
本多 俊一さん
本多 美佐(みさ)さん
◆島原救ったハゼ
木蝋作りは島原の伝統(でんとう)産業です。砕(くだ)いたハゼの実を蒸(む)して「玉締(たまし)め式圧搾機(しきあっさくき)」で搾(しぼ)ると“ろうそくの素(もと)”となる木蝋がとれます。
江戸(えど)時代から島原藩(はん)はハゼの実を大阪に送って売り、大きな収入(しゅうにゅう)にしていました。1792年に雲仙(うんぜん)・普賢岳(ふげんだけ)が噴火(ふんか)した時も、藩のピンチを救ったのはハゼの木。火山灰(かざんばい)に強いので、たくさん植えて蝋を売り、財政(ざいせい)を立て直しました。
◆和と洋の違(ちが)い
ろうそくは和と洋で原料も構造(こうぞう)もまったく違(ちが)います。和ろうそくはすべて自然のものから作られています。
(は)和と洋のろうそくのちがいは原料にあります。和ろうそくの芯(しん)は、和紙にイグサをまいて、ろうはハゼのみからちゅうしゅつしたもくろう。洋ろうそくの芯は木綿糸(もめんいと)で、ろうには石油由来のパラフィンを使用しているそうです。
(お)わろうそくはけむりのにおいがくさくなかった。
◆型ろうそく作り
溶(と)かした木蝋を逆(さか)さまに置いた型に入れ、真ん中に真っすぐ芯を挿(さ)して固めます。
(ひ)ろうを入れて30秒たつと、型にいっぱい入れていたのにへっていたのでびっくりしました。本多さんがイグサの芯の部分がろうをすって、へった事を教えてくれました。25分くらいでかたまりました。
(は)本多木ろう工業所は江戸時代からつづく玉しめ式あっさくきをつかった伝とうぎほうで木ろうを製(せい)ぞうしつづけている日本でゆいいつの製ろう所です。
◆絵付けに挑戦(ちょうせん)
表面が白、赤、黄色のろうそくから一つ選び、お花の絵や模様(もよう)を描(えが)き、オリジナルの絵ろうそくができました。
(お)みずたまもようをかくのがたのしかった。しょくにんさんみたいにはかけなかったけど、はみださないように、いろをどうしようかなどくふうしてかいた。
(ひ)お花の下に(名前の)あるとの「あ」をかきました。絵をかく時、ころがってにぎってかくことがむずかしかったけど、上手にできてうれしかったです。
◆体験を終えて
(は)ろうそくはいかり型で丸かったのでかきにくかったけど、カンナとヒマワリがかけました。お母さんから「上手にできたね」といわれてうれしかったです。
(お)これからずっとろうそくづくりをつづけるのはたいへんだけど、このすてきなろうそくづくりをのこしつづけてほしいです。
(ひ)和ろうそくの炎(ほのお)はずっとゆらゆらしていて大きくて、風がふいても消えにくいことを初めて知りました。おぼんの時のはかまいりにつかいたいです。