池江璃花子が描くパリ五輪の〝未来予想図〟「バタフライで活躍できる自信が沸き上がってきました」

池江璃花子の視線はパリ五輪に向けられている

東京五輪競泳女子400メートルメドレーリレー決勝(1日、東京アクアティクスセンター)、日本チームは背泳ぎの小西杏奈(ガスワン)、平泳ぎの渡部香生子(JSS)、バタフライの池江璃花子(ルネサンス)、自由形の五十嵐千尋(T&G)で臨み、3分58秒12の8位だった。

涙が止まらなかった。今大会の全レースを終えた池江は「無事にこの自分たちのレースが終えられたことということだったり、一度はあきらめた東京五輪だったんですけど、しっかり決勝の舞台でみんなで泳ぐことができたというのは、本当にうれしかったです」と率直な感想を語った。

2019年2月に白血病を公表。想像を絶する闘病生活を乗り越え、厳しいトレーニングを積んで復帰すると、周囲も驚くスピードで回復した。そして、日本選手権では4冠を達成し、五輪のリレー代表権を獲得。「この数年間は本当につらかったし、人生のどん底に突き落とされてここまで戻ってくるのはすごく大変だった。だけど、(16年リオ五輪に続く)2大会連続でこの舞台に戻って来れたということは、自分自身にしっかり誇りをもっていけるなと思います」と、これまでの苦悩を打ち明けた。

ただし、五輪に出場しただけで満足したわけではない。池江は「自分が世界から見てまだ遅れをとっているということが目に見えて分かった」と自己分析。その上で「今後、自分が世界大会に出て行って、池江がどんどん強くなっている。そういう姿を見せていけたらなと思います」と力を込める。

その一方、根拠はないが〝未来予想図〟が見えたという。

24年パリ五輪で金メダルを目指す池江は、今大会の100メートルバタフライを見て「何か分からないんですけど、すごく『いけるな』と思ったレースでもあった。別に自分のタイムが速いわけでもないですし、自信があるわけでもないんですけど、1バタ(100メートルバタフライ)の決勝のレースを見たときに自分はこの舞台で活躍できるんだと、そういう自信が勝手に湧き上がってきました」と語った。

自身もリレーながら100メートルバタフライを泳いだ。「決勝の舞台で世界のレベルの高さというのを改めて感じられたのはすごくよかったかなと思います」と池江。今大会の経験はこれからの国際大会で必ず生きるはずだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社