【陸上】女子100障害の寺田明日香は準決勝敗退「自分は跳んでいる感じ。悔しいです」

寺田明日香

東京五輪陸上女子100メートル障害準決勝(1日、国立競技場)、寺田明日香(31=ジャパンクリエイト)は13秒06の1組6着で決勝進出を逃した。

思い描いたレースとはならなかった。寺田は「中盤以降、踏み切りが近くなってきて早くさばけなかったのが、1個1個でタイムロスした部分だったのかなと。(他の選手は)走っている中で越えているが、自分の感覚では浮いている、跳んでいる感じ。悔しいです」と振り返った。

前日31日の予選では12秒95をマーク。日本勢では21年ぶりに準決勝に駒を進めたが、海外のライバルに割って入ることはできなかった。

寺田は2013年に陸上を引退し、14年に結婚、長女を出産。その後、7人制ラグビーを経験して19年に陸上に復帰した〝ママさんハードラー〟だ。自身について「アスリートとしてみると不思議なキャリアを送ってきた」としつつ「そんなに大きな問題ではなくて、やりたいことをそのときにやって、そのときに力を貸してくれる人がいて、そう過ごしてきた結果、今のキャリアがある。一つひとつの瞬間を大事にしてきた結果なのかな」と話す。

また、大舞台に立つ姿が注目を集めることは間違いないが、何らかの影響を与えるというよりも「頑張っているところを見てもらう中でそれぞれ感じ方は違う。自分も好きなことがあったかなとか、何が好きなんだろうと自問自答してもらえたら、それはありがたいこと」というスタンスを貫いている。

続けて「何か目指すとなったときに自分一人ではなく、周りをどう巻き込んでいくか。力を貸してくれる人はいるのか、自分の弱い部分を出していけるのかも一人の人間としてすごく大事だと思う。そういう部分を感じてもらえたらうれしい」と語った。

今大会のレースは終わったが、寺田の挑戦はまだまだ続きそうだ。

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