カネミ油症検診 障害のある当事者ら受診

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油症検診で血圧を測定する未認定の受診者=五島市福江総合福祉保健センター

 1968年に発覚したカネミ油症事件の被害者の健康状態を調べる本年度油症検診が1日、長崎県五島市三尾野1丁目の市福江総合福祉保健センターであった。全国油症治療研究班(事務局・九州大)が今月から、次世代被害者(油症患者の子や孫ら)の救済を念頭に医学的根拠を積み上げる影響調査を始めるため、受診した次世代の当事者らからは期待の声も聞かれた。
 新型コロナウイルス対策で密集を避けるため、昨年に続き検診対象を油症未認定の人に限定。検査項目も原因物質ダイオキシン類の血中濃度を測るための採血、血圧測定、問診に絞った。
 同センターでは50代と70代の計5人が受診。両親が認定患者という50代の次世代被害者の男性は、毎年のように検診を受けているが未認定。目が不自由なほか腕の太さが左右で違って片方の握力が弱く「油症の影響があるかも」と感じている。次世代被害者に病歴などを回答してもらう同研究班調査については「ぜひ実施をお願いしたい。救済への期待がある」と話した。
 70代夫婦は当時、問題の食用油が一斗缶で出回り、地域で分け合い家庭で使ったという。症状があるにもかかわらず未認定で「40代の子どもが県外にいるが油症のことは話していない」。別の50代女性も両親が未認定。「体がだるく病院にかかっている」と話した。
 検診は同研究班から委託を受けた県が毎年実施。例年は認定患者も対象。未認定の人の油症認定の可否は県油症対策委員会が検診結果を総合的に判断し、知事が本人へ通知する。
 県内の検診は、7月6日に五島市玉之浦町、同7日に同市奈留町で実施済み。今月19日には県西彼保健所(長崎市滑石1丁目)で行う。問い合わせは県生活衛生課(電095.895.2363)。