「まん延防止」きょうにも要請 飲食店時短、全県に拡大 栃木県

新型コロナウイルス感染防止策の強化を呼び掛ける福田知事=1日午後、県庁

 新型コロナウイルス感染者の急拡大を受けて県は1日、対策本部会議を開き、2日にも「まん延防止等重点措置」の適用を国に要請することを決めた。県内全域が対象となるよう国と協議する。また、県版のまん延防止等重点措置を強化し、飲食店に対する営業時間短縮要請の対象地域を7市から全県に拡大する。人の流れを抑制するため、千平方メートル以上の遊興施設や映画館などには、午後9時までの営業時間短縮を働き掛ける。

 福田富一(ふくだとみかず)知事は会議後の記者会見で「県民、事業者に我慢を強いる要請をさせていただく。命と健康、暮らしを守る対応であり、理解してほしい」と訴えた。

 県は7月29日の同会議で、飲食店への時短要請について宇都宮市など7市を対象に実施することを決めていた。しかし27日から5日間連続で感染者数が100人を超え、31日には過去最多の170人に達した。直近1週間の新規感染者数は前週の3倍を上回る。医療提供体制への負荷が急速に高まっていることなどを踏まえ、全県を対象とすることにした。

 要請期間は7市が2日から、それ以外の市町は周知期間を設けて4日からとする。当初は22日までの予定だったが、31日まで延長する。要請に応じた店舗には協力金を支給する。

 福田知事は会見で、人口10万人当たりの新規感染者数について、7月20~26日の1週間は13.5人で全国13番目の多さだったが、25~31日は38.1人まで急増し、全国9番目になったと説明。上位にある都道府県はすでに緊急事態措置やまん延防止等重点措置が適用されているため、本県も適用を要請することにした。

 国のまん延防止等重点措置が適用されれば飲食店での酒類の提供が原則禁止され、要請に応じない店舗に過料を科すなど法的拘束力が生じる。一方、要請に応じた店舗に協力金が増額される。県は今後の国との協議で全県が対象となるよう求めるが、他県の事例では感染者数などによって対象市町が限定される可能性があるという。

県版まん延防止等重点措置の強化による主な要請

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