RSCが再改訂版カレンダー発表。伝統の『バサースト1000』も11月へ移動、NZ戦は2022年に延期

 オーストラリア大陸のみならずオセアニア地域を代表する人気ツーリングカー選手権、RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップの2021年カレンダーが再びの改訂を受け、恒例の日付である「10月第2週を死守したい」としてきたシリーズ伝統の1戦、マウントパノラマでの『バサースト1000』も、ついに開催日程変更という苦渋の決断が下されることに。

 また、次戦としてRSC“実質”第8戦が計画されていた9月10~12日の“パース・スーパーナイト”や、隣国ニュージーランド・プケコヘでのイベントは敢えなくキャンセルとなり、シリーズは10月初旬の再開から12月の期間に5戦の開催を目指す、新たなスケジュールを受け入れることとなった。

 本来、第5戦として“スーパースプリント”戦を開催予定だったビクトリア州のウィントン・モーターレースウェイでの1戦が延期中で、リードパーク市街地での“タウンスヴィル2連戦(500/スーパースプリント)”を実施したRSCだが、オーストラリアを襲う新型コロナウイルス感染症(COVID-19)再拡大の兆候は全土に及び、8月20~22日にシドニー・モータースポーツパークで開催予定だった“スーパーナイト”の延期も決定するなど、現在も厳しい条件下でのシリーズ運営が続いている。

 今回のカレンダー再改訂により、RSCのチャンピオンシップは10月2~3日に再設定されたウィントン・スーパースプリントでリスタートし、同月後半にはまだ未定の会場でレースを開催。そして本来は10月開催となる最大の祭典『バサースト1000』は11月最初の週末へとスロットを移し、こちらもリスケジュールされたシドニー・スーパーナイトが11月19~21日に開催される。

 そして定番の最終戦、サーファーズ・パラダイスでのゴールドコースト500が12月最初の週に実施され、シーズンフィナーレを迎える計画となる。

「残念ながら、これまで学んできたようにCOVID-19の状況は絶えず変化しているため、我々のチームと放送パートナーは、シリーズに欠くことのできない“プレミア・イベント”を後日確実に開催することが、すべての利害関係者の商業的および競争上の最善の利益になることに同意している」と、今回の再々改訂について語ったシリーズCEOのショーン・シーマー。

すでにカレンダー改訂を受けているRSCは、直近にも“タウンスヴィル2連戦(500/スーパースプリント)”を実施していた
2021年は開幕戦として“バサースト400”も組み込まれていたマウントパノラマ。恒例の“グレートレース”もついに日程変更となってしまった

■“Gen3”の話し合いに欧州マニュファクチャラーが新たに参加か

「我々はオーストラリアのモータースポーツ界で頂点に位置する『レプコ・バサースト1000』の計画について、NSWヘルス(ニューサウスウェールズ州保健当局)、バサースト地域市議会、救急隊、放送局、およびNSW州政府と緊密に協力し続けている」

「2021年の“グレートレース”を確実に進めるため、必要なすべての『COVID-19安全要件(セーフティ・プロトコル)』を遵守する。我々の目的は、できるだけ多くのファンをサーキットに呼び戻すことが可能な環境を整えることだからね」

 一方で、州政府ごとの感染状況やその対応施策により、今季カレンダーでの開催維持が困難な状況に陥るイベントも発生している。

「残念ながらパースで予定されていたイベントは、継続的な制限により重大なリスクを伴うため、2022年のカレンダーに移行するという難しい決断を下すことになった」と続けるシーマーCEO。

「同様に、海峡を越えた“Kiwi(キウィ/ニュージーランド出身者の愛称)”ファンは、両国間でのバブル政策が中断されたため、ニュージーランド国内戦が改訂版カレンダーに登場しないのを確認し、間違いなく失望することだろう」

「しかし、どちらのイベントも2022年にはカレンダーに戻る。現状はこのスポーツにとって困難な時期だが、そのためにもカレンダー配置に柔軟性を保ち、必要に応じて大幅な変更を加える必要があるんだ」

 一方、現地のモータースポーツ専門サイト『speedcafe.com』によると、2022年にシリーズ導入予定の新車両規則“Gen3”に関連し、新たに欧州のマニュファクチャラーがシリーズオーガナイザーとの話し合いに参加しているという。

「もちろん、私もそれについて多くの関心があることを知っているよ」と応じたシーマーCEO。「しかし以前にも説明したように、私はそれに関して公に発信することを禁じられているんだ」

 以前は韓国のKIA(キア)がシリーズに興味を示し、同社の5ドア・ファストバック・サルーン『Stinger(スティンガー)』での参戦が囁かれていたが、最新の噂では『ジャガー』のブランド名がその候補に挙げられている。

RSCのチャンピオンシップは10月2~3日に再設定されたウィントン・スーパースプリントでリスタートを迎える
2022年導入が予定される新車両規則“Gen3”は、困難な時期ながら新規参入を呼び込めるか

■RSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップ2021年後半戦再々改訂版カレンダー

ラウンド 開催日 開催地
Rd.8 10月2~3日 ウィントン・スーパースプリント
Rd.9 10月23~24日 TBA
Rd.10 11月4~7日 バサースト1000
Rd.11 11月19~21日 シドニー・スーパーナイト
Rd.12 12月3~5日 ゴールドコースト500

© 株式会社三栄