伝説の日本料理店「京味」料理長・西健一郎の門外不出の流儀を描き切ったノンフィクション「京味物語」!

17年にわたる取材で伝説の日本料理店「京味」料理長・西健一郎の門外不出の流儀を描き切った唯一にして最高のノンフィクション「京味物語」が光文社より発売。

阿川佐和子 推薦

「過ぎてようやく気づく。 京味は、 味だけでなく、 店の佇まい、 気遣い、 動き、 会話、 香り、 リズム、 気配……すべてが日本の文化そのものだった」

「まえがき」より

最後に店に行った日、 デザートも終わって、 お茶を飲んでいた時のことだ。 わたしは訊ねた。 彼は父親の本をわざわざ見せてくれたりして、 ほんとに上機嫌だったからだ。 「西さん、 いい料理人になるには何をすればいいんですか?」とたんにものすごく機嫌が悪くなった。 「いい料理人になるには? 勉強することの他に何かあるんですか? 食べ歩きしたら、 料理が上手になるんですか?」言い過ぎたと思ったのか、 照れた顔になった彼は「先生、 教えてあげるわ」と呟いた。 「いい料理人になるにはね・・・」

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