韓国研究チーム、GPUメモリシステムを181%向上させる技術開発

GPU(Graphic Processing Unit)のメモリシステムの容量と帯域幅を大幅に向上させた技術が韓国の研究グループによって開発された。

KAIST(韓国科学技術院)は2日、電気電子工学ジョン・ミョンス教授の研究チームが3D XPointメモリとDRAMメモリを統合した異種メモリシステムでの光ネットワーク通信ができる「オーム-GPU(Ohm-GPU)」技術を開発したと明らかにした。

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これにより、既存のDRAMを単独で使用していた電気ネットワークベースのGPUメモリシステムに比べ181%以上の性能を向上させることに成功した。

3D XPointメモリはDRAMに比べて容量が大きいが、データ転送速度が遅く、DRAMメモリは3D XPointに比べてデータ転送速度が高速だが容量が小さい。

既存のGPUは、多数の演算装置で構成されており、演算速度が非常に速いという長所があるが、DRAMを単独で使用しているメモリシステムは、低メモリ容量と狭いデータ転送帯域幅により演算性能を十分に活用できない。

容量を増加させる代わりに、DRAMをXPointに置き換える方法があるが、これは8倍大きなメモリ容量を得ることができるものの、読み取り/書き込みのパフォーマンスが各4倍、6倍低くなる。

また、帯域幅を増加させる代案としてHBM(High Bandwidth Memory)技術があるが、単一の面積内に装着できる電気チャンネルの限界によりGPUメモリシステムの高帯域幅の要求を満足させるのは難しい。

ジョン教授チームが開発したOhm-GPU技術は、大容量のXPointと高性能のDRAMを統合した異種メモリシステムで、従来のメモリシステムと同等の性能を持ちながらも、メモリ容量は大きい。

また、単一のファイバーチャネル(光ファイバ)で異なる波長の複数の光信号を転送することができる光ネットワークの利点を適用し、メモリ帯域幅が非常に広い。 Ohm-GPU技術は、異種メモリのすべてのメモリ要求を光信号で処理する。

研究チームは、メモリ要請時に発生する異種メモリ間のデータ移動のオーバーヘッド(待機時間)は、演算、メモリアクセスとデータメモリアクセスの光の波長を個別に設定して、メモリコントローラの介入の最小化、XPointコントローラの異種メモリ間のデータ移動実行で解決したと説明した。

DRAMを単独で使用していた既存の電気ネットワークベースのGPUメモリシステムに比べ、高いパフォーマンスを見せる今回の技術は、人工知能(AI)、ビッグデータ、クラウドコンピューティングなどの高性能加速器のメモリシステムを置き換えることができると期待される。

ジョン・ミョンス教授は、「GPUメモリシステムの技術は、いくつかの海外有数の企業が主導しているが、今回の研究成果に基づいてGPUとGPUと類似したすべての高性能アクセラレータのメモリシステム関連市場で、優位性を先取りする機会を持つようになった」と強調した。

今回の研究は、10月に開かれるコンピュータ構造分野の最優秀学術大会である「マイクロ(MICRO)2021」で発表される予定である。(論文名:Ohm-GPU:Integrating New Optical Network and Heterogeneous Memory into GPU Multi-Processors)

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