全国初「ゼロエネルギー」 神奈川・開成町新庁舎で完成式典 「住民交流の場に」

3年に及ぶ整備工事が全て完了した開成町役場新庁舎=同町延沢

 省エネや再生可能エネルギーを活用した「ゼロエネルギービル」(ZEB)の全国初の庁舎となる神奈川県開成町の新庁舎(同町延沢)の整備工事が完了し、2日に完成式典が行われた。

 1970年に建設された旧庁舎の老朽化から、2018年に新庁舎建設が始まった。鉄筋コンクリート造と木造が融合した3階建て(延べ床面積約3900平方メートル)で、総事業費約26億円。本庁舎は昨年5月から供用を開始し、旧庁舎の解体と駐車場整備が今年7月に完了した。

 ZEBは高効率の省エネ化とともに、再生可能エネの利用で年間エネルギー消費量を大幅に削減した建物。新庁舎は断熱構造や地下水を利用した蓄熱槽などを利用して消費エネルギーを抑える一方で、屋上には約500枚の太陽光発電パネルを設置。庁舎の使用電力の2割を賄うことで、消費エネルギーを全体で8割削減した。

 町民向けのお披露目は、新庁舎が完成した昨年4月に予定されていたが緊急事態宣言により中止に。この日の式典は関係者のみ約20人の出席で、新庁舎前でテープカットなどを行った。府川裕一町長は「人口も増え、新しい人が住み始めている。庁舎を結節点として(新住民らとの)交流の場になってもらいたい」と呼び掛けた。

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