【侍ジャパン】鷹・千賀が復活快投 「忘れられない一戦」の相手を2回無失点5奪三振

東京五輪・野球日本代表の千賀滉大投手(28=ソフトバンク)が、2日の米国戦(横浜)で圧巻の投球を見せた。

1点を追う6回に4番手として登板した。先頭・アレンから伝家の宝刀・フォークで空振り三振を奪うなど、いきなり三者連続三振。続く7回も無失点に抑えて、米国打線の勢いを止めた。2回を投げて1安打無失点。5奪三振の快投でその後の劇的勝利を呼び込んだ。

アメリカは前回WBC準決勝で敗れた相手。千賀は大会ベストナインに輝く大活躍だったが、この試合で負け投手となっていた。「(自分は)あの大会の唯一の敗戦投手。日の丸という思いに対して、あの一戦がすごく思うところがある」。こう口にしていた〝因縁の試合〟の相手でもあった。

「チームの流れ的に1点差に詰め寄ったところでしたし、そこで投げさせてもらえるということで絶対に0で抑える気持ちでマウンドに上がりました。負けている時に行く投手が良ければ良いほどチームの流れを持って来れると思う。本当に勝ててよかったです」と笑顔を見せた。

稲葉監督が追加招集した金メダルの切り札が完全復調をアピールした。千賀は7月6日のロッテ戦(ZOZOマリン)で左足首のじん帯損傷から実戦復帰。しかし、本来の状態には程遠く、まさかの10失点で二軍落ちとなっていた。直近の楽天との強化試合(楽天生命パーク)でも2失点で負け投手となっていた。

そんな中で本番でさすがの投球を見せた。投球フォームを修正。急ごしらえながら戦える形を作り上げた。まさに期待に応える投球だった。「とにかくやれることはチームのために思い切り腕を振って0で帰ってくることだと思う」。

悲願の金メダルへ。残り2戦もフル回転するつもりだ。

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