<レスリング>【出場選手の声】文田健一郎、皆川博恵(ファイナル終了後)…2021年東京オリンピック・第2日

 

(2021年8月2日、千葉・幕張メッセ)


唯一のグラウンドの好機も、相手のうまい身のこなしで無得点

 ■男子グレコローマン60kg級・文田健一郎(ミキハウス=決勝で敗れる)「久しぶりの銀メダル。首からかけてみて、あらためて、金がいいなと思いました。試合が終わったときは、通用しなかったな、という思いでした。自分の技が相手の研究を上回れなかった。今は、ああしておけばよかった、ということばかり思い浮かんでいます。(日本の)メダル獲得の伝統をつなぐ、という気持ちはありましたが、東京オリンピックでの金メダルを目標にしてきたので、それがかなわなかったのは、悔しいし、残念です。

 (足りなかったものは?)やれることをすべてやってマットに立ったので、今は出てこない。落ち着いて、冷静に見たら何か思い浮かんでくると思う。(国際大会が空いてしまったことについて)きのうの準決勝までは、気負わず自分のレスリングができていた。影響があったとは思っていない。

 (金メダル候補と言われたプレッシャーは?)ないです。取り上げてもらえるのは光栄ですし、自分が日本のグレコローマンを牽引していくつもりでいましたから。笹本コーチに『オリンピックの借りは、オリンピックでしか返せない』と言われたので、その言葉を胸に刻み、3年後は笑ってマットを下りられるようにしたい」


初戦からの2連勝を生かせず、メダルに手が届かなかった

 ■女子76kg級・皆川博恵(クリナップ=3位決定戦で、分の悪かった中国選手に敗れる)「きのう(準決勝)は何もできなかったので、今日は絶対に悔いが残らないように、最初から前にプレッシャーをかけて試合を進めようと思いました。相手がスピードあるタックルを持っていることは分かっていた。うまくやられてしまった。6分間を闘うことができなかったので情けないとは思いますが、最初から前に出ていくことはできたのかな、とも思います。(浜口)京子さん以来のメダルを取りたかったんですけど…。

 (苦労の末にたどりついたオリンピックについて)いろんなことがあって、本当に苦しい練習をしてきた。周りの人にいろんなサポートをしてもらった。1年延期されても開催してもらって、本当にありがたいし、周りの人に感謝したいと思います。

 (夫への気持ちは)7月はずっと合宿で、家のことを全部やってもらって、私の精神面の支えになってもらいました。サポートがあってこそ、この舞台に立てたと思います。本当に感謝しています。オリンピックは本当に素晴らしい舞台なので、また戻って来られたらいいな、と思います」

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