【侍ジャパン】米国撃破! 激闘制した稲葉監督がしみじみ語った2人の「立役者」

広島・栗林(右)をねぎらう稲葉監督(中)

東京五輪の野球日本代表は2日に米国との準々決勝(横浜)を延長タイブレークの末、7―6のサヨナラ勝ちで制した。

最後は延長10回に甲斐(ソフトバンク)の右翼フェンス直撃打で劇的V。試合後、稲葉篤紀監督(48)は「本当に選手たちが頑張ってくれたと思います」と粘りに粘った侍戦士たちの健闘をたたえた。

総動員でつかんだ大きな1勝。ヒーローを挙げればキリがないかもしれない。勝負の分かれ目はいくつもあったが、指揮官が言葉に実感を込めた立役者が2人いた。1人は無死一、二塁から始まる不慣れなタイブレークの中で登板し、無失点で切り抜けた栗林良吏投手(25=広島)だ。

「あそこはよく0点に抑えてくれたと思います。タイブレークというのは、たぶん経験ないと思いますけど。ああいうところでも落ち着いて自分の投球をしてくれてね…。あの0点に抑えたというのが、次のサヨナラにつながったと思います」

そして、もう一人が10回裏の攻撃で村上(ヤクルト)の代打として登場した栗原陵矢捕手(25=ソフトバンク)だった。ピンチバンターとして送りバントを1球で決め、一死二、三塁とチャンスを広げて、甲斐の劇打を呼び込んだ。稲葉監督は「栗原君の代打バント。あそこも本当に初出場でバントでというところで、本当によく決めてくれた。あそこで選手がもう一つグッと一つになったような気がしますね」と絶賛した。

侍ジャパンは4日の準決勝で因縁の韓国代表と激突する。3時間53分の死闘を制し、やや疲れた表情もみせた指揮官だが「われわれの野球をします。自分たちの野球をやっていきます」と締めた。悲願の金メダル奪取まで、あと2勝だ。

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