映画「祈り」試写会 主演黒谷さん「平和考えるきっかけに」

試写会で舞台あいさつする黒谷さん=長崎市、ユナイテッド・シネマ長崎

 昭和30年代の長崎を舞台に、被爆とカトリックの信仰について描いた映画「祈り-幻に長崎を想う刻(とき)-」の試写会が2日、長崎市尾上町のユナイテッド・シネマ長崎で開かれた。
 舞台あいさつで松村克弥監督と主演の一人、黒谷友香さんが登壇。松村監督は「多くの方々の協力でこの日を迎えられてうれしい」。黒谷さんは「若い世代の人たちにぜひ見てもらいたい。平和について考えるきっかけにしてほしい」と語った。
 本作は同市出身の劇作家、故田中千禾夫(ちかお)さん(1905~95年)の戯曲「マリアの首」が原作で、映画化は初。原爆で壊滅的な被害を受けた旧浦上天主堂の取り壊しに伴い、撤去の動きがある被爆マリア像を守ろうとするカトリック信者の女性、鹿(高島礼子さん)と忍(黒谷さん)の生きざまを描いた。昨年2月には、東彼川棚町の片島魚雷発射試験場跡や長崎市の館内市場などでロケが行われた。
 黒谷さんは取材に対し「長崎ロケは真冬で、原爆が落ちた8月のシーンに薄着で臨むのが大変だった」と撮影を振り返った。
 県内では13日からユナイテッド・シネマ長崎、シネマボックス太陽(佐世保市)で全国に先駆けて公開される。
 7日午後2時からは同市平野町の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館で、松村監督が原爆や平和への思いを語るトーク会が開かれる。観覧自由。問い合わせは同館(電095.814.0055)。

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