韓国陸軍の監視ドローンが多数墜落(前年比2倍)...その理由は?

韓国陸軍が北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の木船南下を事前に察知するため、海岸沿いに展開している無人機(ドローン/UAV)が次々と墜落しているようだ。だが、誰かに撃ち落されたわけではない。

野党「国民の力」のカン・デシク議員室が3日に韓国陸軍から提出された「2019年〜2020年大隊UAV(無人機)墜落事故現況」によると、昨年墜落件数は26件を記録し、前年の13件に比べて2倍に増加したと複数の韓国メディアが報じている。

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無人機の墜落場所は、2019年は内陸8件、海岸5件と内陸の方が多かった。しかし昨年は、内陸10件、海岸が16件となり、海岸での墜落が急増した。

これは無人機が海岸に集中投入されたためである。韓国国防部は2019年6月に北朝鮮の小型木船が江原道三陟港に入港した際、事前に察知できず問題となった。そのため無人機を海岸監視に活用すべく投入した。

陸軍が投入した無人機は、従来の監視装置で見ることができない死角地帯をリアルタイムで監視する任務を負っていたが、海岸の気候特性などから墜落する事故が大幅に増加したというのがカン議員の説明である。

カン議員は、現在運用中のUAVは朽化が加速し稼働率が低下するなどの問題が発生していることから、即時の是正を訴えている。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、「ドローンがすべてを解決するというのは愚かな妄想だ」「国防費を削って災難支援金に回す金をこういう所に回せ」「こんなんで国でよく回るよな」「アルメニア-アゼルバイジャンのドローン戦争を見てみろ。数億ウォン(数千万円)のドローン10台が戦闘機より勝る。韓国も18兆ウォン(約1.7兆円)のKFX戦闘機、5兆ウォン(約4700万円)の軽空母という時代錯誤の無駄使いをなおせ」などのコメントがネット掲示板に寄せられている。

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