白鵬の五輪観戦に日本相撲協会が激怒 茂木健一郎氏は「差別」と協会を批判

大相撲の横綱・白鵬が、原則無観客で行われている東京五輪の柔道を現地で観戦したことがSNS上で問題視されていることを受け、日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱・大乃国)が2日、白鵬の行動を「ダメでしょう」と非難した。

白鵬は7月27日、東京・日本武道館で行われた東京五輪の柔道を観戦。男子73キロ級金メダリスト・大野将平らと一緒に撮影した写真などがSNS条で拡散され、物議を醸した。モンゴル出身の白鵬は同国五輪委員会のアンバサダーを務めており、同国の関係者パスで入場したとみられる。

名古屋場所終了後の外出緩和の期間ではあるものの、まずは日本相撲協会への届け出が必要。同部長は「行くんなら、申請書を出して、こちらで審査しなきゃいけない状況なんだから。単なるモンゴル選手団からの要請じゃだめでしょ」と非難した上で「事情聴取する必要はないよ。行っちゃってんだから。事情聴取も何もあったもんじゃない。何を勘違いしてるのか、大きな間違いをしてるんじゃないか、ということだ」と、不快感をあらわにした。

白鵬は名古屋場所で7場所ぶり復活となる全勝優勝を果たしたが、14日目の奇襲、千秋楽のガッツポーズ、雄たけびなどを、横綱審議委員会から酷評された。それだけに「周りからも相撲内容、立ち居振る舞い、横綱としては目を疑う、というくらいの話をしているわけだから」と同部長も苦言。「その後にこういう行動をしている。我々は止められないよ。勝手な行動を止められないよ。横綱としての立場も失格だし、協会員の立場も失格じゃないのと言われてもおかしくなくなってくる」と断罪し、「常識、非常識が全くわかっていないということ。決められたことのルールを守ってない。ルール破りの常習だよ。大きな問題だよ」と怒りをにじませた。

一方、脳科学者の茂木健一郎氏は3日、自身のツイッターを更新。白鵬について「どんな事情で行かれたのかを精査せずに決めつけるのは、単なる差別だと思う」「日本相撲協会は、白鵬関のことに関しては本当にひどい」「偉大な横綱に対するリスペクトや、多様性の尊重がない。出るところに出たら、アウトだと思う」と、協会側の対応を批判した。

(よろず~ニュース編集部)

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