2年ぶり「夏の甲子園」大展望 V候補は明豊 追う大阪桐蔭、小園倒した智弁和歌山

センバツでは東海大相模に敗れ準Vだった明豊。エース京本(左)の成長に注目だ

第103回全国高校野球選手権大会(9日から17日間、甲子園球場)の組み合わせ抽選会が3日に大阪市内で行われ、別表の通りに決定した。新型コロナ禍での出場辞退、番狂わせが続いた中で迎える2年ぶりの夏大会。初出場5校を含む49代表による群雄割拠の戦いがスタートする。真紅の大優勝旗を手にするのはどこか。優勝の行方を占った。

「本命不在」と言われる今大会だが、まず優勝候補に上がるのは選抜大会準Vの明豊(大分)だ。

189センチの長身から繰り出す最速146キロ右腕の京本(3年)と141キロ左腕の太田(3年)が2枚看板。京本は角度ある速球に加えて110キロ台の縦のスライダー、カーブ、チェンジアップとのコンビネーションが持ち味で、夏場は力感を抑えたゆったりフォームにモデルチェンジした。

粘り強い打線も春にメンバー外だった宮崎(2年)がクリーンアップに台頭するなど長打力がアップし、県大会から無失策を続ける守備も鉄壁。選抜決勝で東海大相模にサヨナラ負けした悔しさを胸にリベンジの舞台に立つ。

大阪桐蔭(大阪)も底力で頭1つ抜けている。選抜では初戦に智弁学園(奈良)に惜敗したが、春の近畿大会決勝で雪辱を果たすと、夏も激戦区の大阪を勝ち抜いてきた。打線は主将の池田(3年)、花田(3年)、前田(3年)を中心に破壊力、機動力と申し分なく、二死からでも大量点につなげる粘りがある。

投手陣はプロ注目左腕の松浦(3年)を主戦に竹中(3年)、川原(2年)が成長したが、最速154キロ右腕で注目された関戸(3年)は不調から府大会の登板なし。安定感に不安の残る松浦を強打でカバーしたい。

その2校を追うのが智弁和歌山(和歌山)だ。県大会ではドラフト上位候補の市和歌山・小園を攻略。1年から主軸を打つ徳丸(3年)、主将の宮坂(3年)ら伝統の強打線に加え、147キロ右腕のエース中西(3年)、塩路(2年)、高橋令(3年)ら投手力も全国屈指に仕上げてきた。

愛工大名電(愛知)も投打の大黒柱で主将の田村(3年)、本格派右腕・寺嶋(3年)を擁し、県大会で至学館、東邦、中京大中京、決勝で享栄と私学の強敵を次々と撃破。主砲・宮崎(3年)、有馬(3年)も長打力があり、粘り強い試合運びで頂点を狙える戦力となっている。関東勢ならプロ注目の深沢(3年)、岡本(3年)、中舘(3年)の3投手を揃える専大松戸(千葉)も上位が狙える。

他にも最速157キロで注目される風間球打(きゅうた=3年)を擁するノースアジア大明桜(秋田)、県大会を37イニング無失点と圧倒した静岡の192センチ右腕・高須(3年)にも注目が集まる。

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