“和製プレスリー”本郷直樹さん死去 人気絶頂からの闘病生活…波乱の人生

在りし日の本郷直樹さん

俳優で歌手の本郷直樹さん(本名・奥野芳博=おくの・よしひろ)が2日午後、都内の病院で心筋梗塞のため亡くなった。71歳だった。

本郷さんは1971年、「燃える恋人」で歌手デビューし、同年の日本レコード大賞で新人賞を受賞した。その後は俳優としても活躍し、フジテレビ系ドラマ「アイちゃんが行く!」(73年)にレギュラー出演。ほかにもテレビ朝日系ドラマ「ザ・ハングマン」シリーズや映画「魚からダイオキシン!!」(92年)など数々の作品に出演した。

関係者によると、本郷さんは2000年に脳内出血で倒れて入院。03年に再び倒れ、人工透析を受けながら歌手活動を続けていたという。昨年10月には腎臓の病気を悪化させて左足を切断。人工透析の治療中に心筋梗塞を発症し、近親者やマネジャーに見守られながら亡くなったという。

「最近ではコロナの影響もあったし、健康状態もあって、大きな仕事はしていなかった。それでも知人のパーティーに参加したりと精力的に活動は続けていた」と事務所関係者は言う。

04年には「エルヴィス・プレスリーと呼ばれて―バーニングプロ第一号タレントの告白」という自伝も出版していた本郷さん。

ある芸能関係者は「若かりしころは、端正なマスクと甘い歌声で、女性ファンが多かったそうです。それこそ“和製プレスリー”と呼ばれ、まだ男性アイドルというジャンルが確立していない時代でしたが、その先駆者として名をはせた。レコード大賞新人賞受賞やドラマ出演で絶頂期を迎えてから、闘病生活と波乱の人生だったことは自筆の本の中でもうかがい知れます」。

なお、通夜は5日、葬儀・告別式は6日に近親者のみで行われるという。

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