頂上決戦の相手はやはり「王国」だ。東京五輪卓球女子団体準決勝が4日、東京体育館で行われ、中国はドイツに3―0でストレート勝利。これで5日の決勝は日本―中国戦に決まった。
2008年北京五輪から採用された団体戦は中国が3連覇中。日本は12年ロンドン五輪銀、16年リオ五輪銅メダルを獲得しており、直接対決はロンドン五輪決勝以来となる。
そんな今大会は第1試合にダブルスが組まれた。日本は準決勝までの3試合、石川佳純(28=全農)、平野美宇(21=日本生命)組が息の合ったプレーを披露。1ゲームも与えることなく勝利を挙げている。一方、中国は準々決勝、準決勝で王曼昱、陳夢組を起用していずれもストレート勝ちを収めた。
試合の行方を左右する第1試合。ここで白星を手にすれば一気に流れを引き寄せることができるかもしれない。馬場美香監督はかねて〝スタートダッシュ〟の重要性を説いており「代表が決まってからダブルスの練習を多くやってきた」と手応えを感じている。
第2試合のシングルスは伊藤美誠(20=スターツ)が3試合連続、中国は直近2戦で孫穎莎を起用。2人はシングルス準決勝で激突し、伊藤が0―4の完敗を喫した。決勝では再戦の舞台が用意される可能性が高く、伊藤はリベンジに燃えているに違いない。
馬場監督はキャプテンを務める石川について「(個人戦、団体戦と隔年で開催される)世界選手権と違って、五輪は個(シングルス)の動きがあってチーム(団体)の動きがある。そこをうまく切り替えてまとめてくれている」と話す。
また、エース起用の伊藤については「伊藤がいることによって〝こうなるであろう〟という予想が立てやすい。そういう意味では頼もしい存在」。初五輪の平野に関しても「初めての五輪で緊張していたが、思ったよりも楽しそう。(緊張度が)〝100〟を超えていなかったので、いい緊張状態だなと」と安心して見守っている。
打倒中国を掲げて勝ち上がってきた卓球ニッポン。最後は笑顔で表彰台の頂点に立つつもりだ。