ソフトバンクを襲った誤算に次ぐ誤算… エースが、守護神が、助っ人が次々に離脱

ソフトバンクの今季前半戦の“誤算”は【写真:藤浦一都】

出遅れた千賀が復帰戦で負傷、守護神の森も長期離脱に…

37勝37敗14分の勝率5割、パ・リーグ4位で前半戦を折り返すことになったソフトバンク。2年連続リーグ優勝、5年連続の日本一を目指すチームにとっては、苦戦続きの前半戦となったと言えるだろう。

連覇を狙うチームにとって、そして指揮を執る工藤公康監督にとって、とにかく怪我人、離脱者の多さが誤算だっただろう。しかも、それが変えの効かないチームの中心選手ばかりだったことが苦しい状況に拍車をかけた。

エースの千賀が右ふくらはぎの張りでキャンプ初日から出遅れ。開幕には間に合わず、4月6日の日本ハム戦で復帰を果たしたが、その試合で左足首の靭帯損傷の重症を負い、全治2、3か月と診断された。大黒柱が復帰初戦でいきなり再離脱となり、チームにとっては大打撃となった。

もう1人が森唯斗だ。ホークス不動の守護神は投げる腕とは逆の「左肘関節化膿性滑液包炎」のために4月30日に出場選手登録を抹消された。当初は短期間で復帰できる見込みだったが、回復が遅れ、手術を受けることに。前半戦を守護神不在で戦うことになり、苦しい台所事情を強いられることになった。

エースに守護神、助っ人も欠く中での勝利5割ターン

エースと守護神を欠くだけでも大きな痛手であるにも関わらず、5月上旬には打線の核であるグラシアルが右手薬指の骨折と、中指と薬指の靭帯損傷を負って離脱。6月に入ってからは、1番打者として結果を残していた牧原大が太もも裏の筋損傷、周東が右手人差し指の骨折で相次いで戦線を離れた。

さらには、モイネロとデスパイネがキューバ代表の東京五輪予選に参加するために離日。そこでデスパイネが左肩を痛めたため、再来日後も復帰できず。とにかく主力の怪我人が多く、前半戦を通してほぼフルメンバーが揃うことはなかった。

もちろん打線の状態が著しく下降したり、首脳陣の采配がハマらないこともあったが、やはり何より誤算だったのはこの離脱者の多さだろう。工藤監督も「怪我人がいたり、体調不良での長期離脱がいたりという中ですけど、若い人たちが出てきたり、そういう意味ではチームとしては、ここまで4位ということにはなりましたけど、いない選手の分も頑張ろうという思いでよく頑張ってきてくれたと思います」と前半戦を総括していた。

この状況下での勝率5割、4位ターンをポジティブに捉えるか、ネガティブに捉えるか。幸いにも首位のオリックスとは4ゲームしか離されていない。「十分に逆転できるし、勝てるゲーム差だと思っている。何も悲観する必要はないと僕自身は思っている。怪我人が帰ってこれば、雰囲気も変わったりしてくるのかな、と思う」と工藤監督は言う。勝負は後半戦。ソフトバンクの真価は、中断明けから発揮される。(Full-Count編集部)

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