【侍ジャパン】決勝進出も「韓国は審判のせいにするだろう」と評論家

韓国を撃破し喜ぶ侍ナイン。近藤(中央)も笑顔だが…

東京五輪・野球日本代表は2日、準決勝の韓国戦(横浜)に5―2で勝って7日の決勝進出が決まり、銀メダル以上が確定した。2―2の8回二死満塁から、山田(ヤクルト)が走者一掃の決勝タイムリーツーベース。最終回を守護神の栗林(広島)がきっちり締めた。終盤もつれた試合を、ネット裏の評論家はどうみたか。

【新IDアナライザー・伊勢孝夫】

山田(ヤクルト)がよう打ってくれたね。大舞台に強いし、遊び心を持ちながらプレーしているところなんか、いかにもヤクルトらしい選手でOBとしてもうれしいですよ。

とはいえ、8回のあの場面は近藤(日本ハム)がやらかしよったからね。一塁駆け抜けてフェアグラウンドのほうにオーバーランするなんて、リトルの子でもやらないわ。あんなんでアウトになっていたら恥ずかしくて、外を歩けないところだったろう。

それでも「二塁へ向かう意思ナシ」と審判が判断してくれたのはラッキーだった。アウトと言われても何も言えない状況だったのに、近藤の「何タッチしに来よるねん」みたいな、とぼけた顔も良かったのかも。おかげで山田の決勝打につながったわけだから、勝負というのは不思議なもんですよ。

韓国にしてみれば当然、負けた理由を審判のせいにするだろう。ただ、審判団に日本人はいなかったわけだし、平等といえば平等。それでも、敗者復活からまた勝ち上がって決勝でまた日本と激突することになるのではないか。日本としては、気を引き締め直して決勝に臨んでほしい。

特に韓国で気をつけなければならないのは、6回に同点タイムリーを放った5番の金賢洙。私が韓国プロ野球でコーチをやっていたころから現役で「安打製造機」と呼ばれていたが、その技術は健在だった。

金卿文監督はびっくりするような采配を振る指揮官ではないから、それほど気にする必要はないと思うが、5回のピンチで前進守備を敷いたように、山本(オリックス)を嫌がっていたように思う。中2日となるが、決勝で短いイニングでも山本の登板があれば面白い。

(本紙評論家)

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