アストラ製ワクチン「少量のみ希望」沖縄への優先配分で知事 ニーズなく、運用も複雑

 沖縄県の玉城デニー知事は4日の会見で、英アストラゼネカ製ワクチンの優先配分を少量のみ、国に希望する姿勢を示した。最大効果を得るためには、他のワクチンの方が接種の間隔が短く接種完了が早くなることが見込まれるほか、アストラゼネカ製は原則40歳以上が対象で接種会場の運用が複雑となること、職域接種を申請する事業者に照会したが希望事業者がいなかったことを理由に挙げた。ただ、ファイザー製とモデルナ製ワクチンが使用できない人のために少量を希望するとした。 玉城知事は、感染が広まっている那覇市と沖縄市、うるま市、北谷町と、県、商工会議所などが連携した「感染拡大抑制プロジェクト」を実施すると発表した。参加団体の関係者が企業訪問や電話などにより、会食の自粛などを求める。早ければ今週末から開始する。

 玉城知事は「飲食の場は感染リスクが非常に高く、10人ほどで会食した結果、その場にいた9割が感染した事例も確認された。同居家族以外との会食は感染リスクが高いため、やめてほしい」と呼び掛けた。

 感染者の急増を受け、玉城知事は新たな沖縄振興や来年度予算の要請で5、6日に予定していた上京を取りやめると明かした。代わりにオンラインで自民党沖縄振興調査会などへ要請する。

 10代の子どもの感染が増えていることに「保育や学童の場においても、支援員の方にワクチンの優先的な接種を図っている。子どもたちを守る体制づくりについては、全庁体制で取り組んでいく」と強調した。

 県は7~9日、14、15日の週末は大規模集客施設に対して、人出を抑制するために休業を要請している。 
 

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