「力もらった」「子どもに夢」 屋比久選手の五輪銅、沖縄県内から喜びの声

 東京五輪レスリンググレコローマンスタイル77キロ級で県出身の屋比久翔平選手が銅メダルを獲得してから一夜明けた4日、熱気の冷めやらない沖縄県内では各地から喜びの声が上がり、那覇市の琉球新報社には号外を求める人が相次いだ。 屋比久選手の出身地・宜野湾市のコミュニティーFMラジオ局「FMぎのわん」の番組では朝から屋比久選手の活躍で盛り上がった。山内一郎社長(46)は「オリンピックに出場しただけでもすごいことなのに、メダルを取るとは素晴らしい。地元のラジオとして力をもらえた。いつか番組に出演してほしい」と期待した。

 南城市佐敷津波古は屋比久選手の祖父母の出身地。高江洲順達区長は銅メダルが決まった直後に屋比久選手と、父親が同区出身で陸上の走り幅跳びに出場した津波響樹選手の活躍をたたえる懸垂幕と横断幕を発注した。「公民館など区内3カ所に設置する。津波古の子どもに夢と感動、誇りを与えた」と喜んだ。

 「やんばるレスリングクラブ」に所属する今帰仁村立今帰仁小学校5年の棚原憲杜(のも)さんは、テレビの画面越しに屋比久選手に声援を送った。棚原さんは「最後まで攻め、投げ技を決めたところがかっこよかった。憧れる」と目を輝かせる。緊急事態宣言の中、練習がなかなかできない状態が続くが、「自分も屋比久選手のように強くなりたい」と力強く語った。

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