【東京五輪】「毛沢東バッジ」中国国内でも波紋 問題シーン削除して放送したテレビ局に批判殺到

表彰台に上がった中国の女子チームスプリントの選手たち(ロイター)

東京五輪の自転車女子チームスプリントで金メダルを獲得した中国の鮑珊菊(23)と鍾天使(30)が毛沢東のバッジを付けて表彰式に参加した問題が同国内でも波紋を広げている。

五輪では政治的、宗教的、人種的な活動が禁止されており、中国選手の対応は世界でも話題となったが、国際オリンピック委員会(IOC)のマーク・アダムス広報担当はこの件について、中国オリンピック委員会に説明を求めたことを明かした。すでに中国側は「2度としません」と約束し、近日中にも委員会として正式な回答を出す予定と説明しているという。

ただ、中国国内では〝毛沢東問題〟が物議を醸している。中国国営放送の「CCTV」が、この表彰式の場面をバッジ部分を削除して再放送した際、中国版ツイッターの「微博(ウェイボー)」などで批判が噴出。「CCTVは何の目的で毛主席のバッジをつけている場面を消したのか」「バッジが胸に輝いているのは最高の証拠ではないか」「毛沢東は中国の文化革命のシンボル」「毛沢東がいなければ新中国もない」などの意見が書き込まれた。

英「BBC」はこの件について「違反をめぐって論争が起きている」とのタイトルで報じ、中国国内の動向に注目するなど、各方面に大きな影響を及ぼしているようだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社