グンバイヒルガオ 五島の海岸で開花確認

開花が確認されたグンバイヒルガオ=五島市

 主に九州南部や琉球諸島に分布するグンバイヒルガオが、長崎県五島市内の海岸で開花しているのを同市木場町の市職員、山本美枝さん(59)が今月、見つけた。県内で開花が確認されるのは珍しいという。
 ヒルガオ科の多年草。葉の形が、相撲の行司が使う軍配に似ている。熱帯や亜熱帯地域の砂浜に生え、夏場を中心に5センチほどの花を付ける。
 複数の専門家によると、種子が対馬海流に乗って北上し、五島列島など県内各地に漂着して発芽する。ただ冬の寒さで枯れたり、台風など波浪の影響で流されたりして定着できない。県内で開花が確認されたのは数例という。
 県生物学会員でもある山本さんは4月、特徴的な形の葉っぱを見つけ、観察を続けたという。「順調にいけば、花が咲くと期待していたが、開花を見られて幸運だった」と振り返った。

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