サムスンとLG、米で複数の特許侵害提訴受ける...相手は欧州の「特許怪物」

サムスン電子とLG電子が最近、米国でスマートフォン、タブレット、ノートPCなどの主要IT製品に搭載される半導体技術についての特許侵害の疑いで複数の訴訟に巻き込まれていることが分かった。

訴訟を起こしたのは欧州の「パテントトロール」(特許怪物)であることが確認された。パテントトロールは、企業などから特許を買取り、他の企業に訴訟を起こすことを専門としている法律事務所を指す。

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4日、韓国メディアなどによると、アイルランドのダブリンに本社を置く「ソンレイメモリ(Sonrai Memory)」は、現地時間で先月30日、米国テキサス州西部地方裁判所にサムスン電子とLG電子を相手に特許侵害(Patent infringement)訴訟を提起した。

ソンレイメモリ側は、サムスン電子の韓国本社と米国法人、LG電子本社と米国法人などを相手に、それぞれ別々に2件の訴状を提出した。サムスンとLGが、ソンレイメモリが保有する半導体関連の特許3件を侵害したと主張している。これら特許は、モバイルやPCなどの主要なIT製品のメモリー半導体の動作に関連するものである。

サムスン電子の「Galaxy S20 5G」と「Galaxy flex」をはじめ、LG電子の「V40」、「LG gram15」などの主要なスマートフォンおよびノートPCを特許侵害製品に指定している。

(画像:LG電子の「LG gram15」)

ソンレイメモリがサムスン電子とLG電子の特許訴訟を起こしたのは今回が初めてではない。これらに先立ち、2月にもテキサス州西部地方裁判所に両社を相手にスマートフォンSoC(システム・オン・チップ)、半導体の特許侵害と関連訴訟を起こしたことがある。

ソンレイメモリは米国関税法337条違反の疑いでサムスン電子とLG電子を相手にITC(米貿易委員会)にも訴状を提出している。米国関税法337条は、米国現地での商品の輸入と販売と関連し、特許権、商標などの侵害による不公正行為を取り締まる規定である。

ITCによる調査の結果、違反行為が事実とされた場合は、輸入禁止や販売中止などの行政命令が下されることもある。

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